東南アジアでは高額でも売れ行き好調

 実は蚊取空清は、蚊が媒介する感染症に悩まされる東南アジアで、2015年9月に先行発売された製品。マレーシア保健省医療研究所の協力を得て実証試験を繰り返し、数年がかりで実用化にこぎ着けた。生産はタイ工場で、シャープとして初めて東南アジア向け製品を日本に“逆輸入”した格好だ。

 東南アジアでは高額商品であるにもかかわらず、「強気の計画だったが、その2倍の売れ行き」(シャープ)と好調。国内では3月の発表後、すでに1000件以上の予約が入るなど、生産台数は当初計画の数倍になる見通しという。空気清浄機としては異例のヒットになりそうだ。

蚊の習性を利用して捕獲する
紫外線(UV)に集まる
→ 人には見えないUVライトを利用
黒い色を好む
→ 本体色を黒のみに
暗がりや物陰に隠れる
→ 蚊が入りやすい小窓を設けた

記者の目
新規性 ⇒ 空気清浄機で蚊を吸い込んで捕らえるというアイデアは斬新

実用性 ⇒ すでに東南アジアで実績があり、日本でも効果が期待される

価 格 ⇒ 空気清浄機のボリュームゾーンで、機能を考えれば値頃感がある

担当者の
シャープ コンシューマーエレクトロニクスカンパニー 空調・PCI事業部 第二商品企画部長 冨田昌志氏
 東南アジア向けに、蚊を退治する機器の開発に取り組み始めたのは7年前。デング熱やマラリアといった感染症を媒介する蚊を何とかしたいというニーズが非常に大きかったからだ。当初は殺虫剤メーカーとの共同開発なども模索したが、最終的に空気清浄機と紫外線ライトを組み合わせる手法に落ち着いた。発売後の現地での評価は非常に高く、国内でも多数の予約が入るなど反響に驚いている。他の地域でも販売を検討しており、空気清浄機の普及拡大の足がかりにしたい。

(文/日経トレンディ編集部)