乗り換えの壁は高いが継続的な取り組みが重要に
筆者は3年前にも、auスマートサポートの京都ツアーを取材しているが(「auのシニア向けバスツアーに見るスマホ利用拡大の糸口」参照)、そのときと比べると、スタッフの説明の仕方やプログラム内容がこなれてきた印象を受けた。短い時間で色々なアプリを使わせるのではなく、カメラに絞ってその楽しさを伝えるなど、参加者側にとって理解しやすい内容だったといえる。
実際に参加した人たちに話を聞くとおおむね満足している様子だった。フィーチャーフォン利用者に関しても、分かりやすい説明とプログラム内容、そしてすぐに質問できる態勢により、「スマートフォンは楽しい」という声を聞くことができた。
だが、それが、スマートフォンへの乗り換えに直結するかというと簡単にはいかないようだ。ある参加者からは「やはりスマートフォンは料金が高い」といった声が聞かれるなど便利で楽しいだけでは不十分だ。
特にフィーチャーフォンの利用が多いシニア層にとっては、料金面だけでなく、自分の周辺にいる人たちが利用している端末やコミュニケーション手段も大きく影響してくる。そうした周辺の環境を変えるための取り組みが、現在のスマートフォンにはまだ不足しているといえよう。
もっとも、フィーチャーフォンユーザーに向けた体験ツアーは、auとしても今回が初の試み。多くの人が満足の声を上げていたように、こうしたツアーがスマートフォンへの関心を高めるきっかけとなることは確かであろう。また、リアルでの接点を持ち、手厚いサポートをしてくれることは、スマートフォンに対する不安感を払しょくする上で、非常に大きな意味を持つ。それだけに、こうした取り組みは今後も地道に継続して欲しいと筆者は感じた。
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