予想を裏切る衝撃の味! その先にさらなる衝撃が待っていた!?

  さっそく「凝縮 H」を試飲した。成分が凝縮されているということで、日本酒の古酒のような味わいを予想していたが、ひと口飲んで衝撃を受けた。日本酒というより、蒸留酒のような強いアルコールの刺激。熟成させた古酒のようなクセは一切ない。というより、強いアルコールに隠れ、日本酒独特の味わいはほとんど感じられない。最初に浮かんだ感想は、「これは食中酒には向かない」ということ。ウオッカやテキーラのように、ショットグラスで味わうべき日本酒なのかもしれない。同じように試飲をしている周囲を見ても、誰もが戸惑いの表情で、首をひねっている。

 その反応を予想していたかのように出されたのが、おつまみのプレートだった。通常の日本酒であれば塩辛いものが中心だが、意外にもようかん、チーズ、チョコレート(カカオの原産国別に3種類)という、ティータイムかワインのつまみのようなラインアップだ。

  「これを食べて『凝縮 H』を口に含んでみてほしい」というアドバイスに従って、まずチーズから試した。驚いたことに、先ほどはアルコールの強さに隠れていた “日本酒らしいうまみ”が一気にはじけ出すイメージ。“甘いフルーツの香り、後味はすっきりとキレが良い”という、元の純米酒「作 穂乃智」の特性が増幅されて感じられる。

  周囲からも驚きの声が上がっていた。さらに「チーズよりチョコレートのほうが合う!」「いや、ようかんのほうが」「チョコレートなら(3種類のうち)これ!」など、マリアージュの好みにも個人差があることが分かって興味深かった。試しに元の「作 穂乃智」と一緒に同じつまみを味わってみたが、味のマジックは生まれなかった(そもそも「凝縮 H」を味わったあとでは、もとの日本酒がまるで水のように感じられた)。

  だが三菱ケミカルといえば、三菱グループに属する国内最大・世界第5位の規模を有する総合化学メーカー。一方、清水清三郎商店は従業員数15人と小規模だが、国内外の品評会やコンテストで数えきれないほどの受賞歴を持つ実力派の酒蔵だ。なぜこの2社がコラボし、新しい酒を作ったのか。

初回生産量が少ないということで、グラスの底にほんの少量注がれた凝縮 H(手前)。凝縮される前の日本酒「作 穂乃智」(奥)と比べると、色味が濃いのが分かる
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凝縮 Hの味わいを引き出すために用意された、相性の良いつまみ。上から時計回りにようかん、チョコレート専門店「ダンデライオン」のチョコレート3種、コンテチーズ
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