日本人の作る製品はセンスがいい?

やはり日本はハードウエアをつくるのが好きな国なんですかね。

岩佐: 何といっても日本の強みだと思うのが、「日本人が作るハードウエアは国際的に見てとてもセンスがいい」ということです。

 それは鍛えられて、磨かれているからだと思います。日本車は世界的に売れていますし、ソニーやパナソニックの製品も売れています。周囲にハイレベルな製品がたくさんあり、それらに日々囲まれているというのはとても重要なことですね。

 例えばフランス人やイタリア人はオシャレな人が多いと言われます。街並みもオシャレだし、服飾関係のメーカーやブランドも多いし、洋食器などもセンスのいいものに囲まれている。学校に行けば学校の内装もオシャレで、学校の友だちもオシャレな服装をしている。日々そういう環境で育っていると、自然にセンスが磨かれて、その結果がんばってオシャレをしなくても何となくオシャレになっていくんでしょうね。

 日本の家電製品や自動車をオシャレと表現するのがいいのかは分かりませんが、国際的にもパッと見でいいね、クールだねと思われやすいのは確かです。

ソニーは本格的に復活するのか!?

先ほどソニーの話が出ましたが、国内の大手家電メーカーで、最近気になったニュースはありますか?

岩佐: シャープが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収される件、東芝が白物家電事業を中国の美的集団に売却する件など、最近はいいニュースがないですね。

そんななかで、なぜソニーが今元気になりつつあるんだと思いますか?

岩佐: あくまで私見になりますが、ようやく「平井効果」が出てきたのかなと思います。平井社長(※)は2012年4月から社長を務めていますが、「赤字にならなければいい」とか、「多少赤字になるプロジェクトがいくつかあっても、その中から『大当たり』が出ればいい」といった考え方が平井政権になってから浸透してきたのではないかと、勝手に分析しています。

 この背景にあるのがSAP(※)という仕組みです。これがソニーのすべてを大きく変えているように思いますね。ソニー自身が立ち上げたクラウドファンディングサービスの「FirstFlight」も象徴的です。

※平井社長(平井一夫氏)……2012年4月からソニー代表執行役社長兼CEOを務める。
※SAP……ソニーが新たなビジネスを作り出すためにスタートさせた社内ベンチャー育成プログラム「Sony Seed Acceleration Program」(通称、SAP)のこと。

 もちろん、競合家電メーカーが次々と倒れていったからという側面もあるかもしれません。競合と戦えば戦うほど切り傷も増えて赤字も増えます。しかし、最近は自社が強い分野で確実にシェアが取れるようになりました。こうした足下の環境がよくなったのと、平井社長の政策が軌道に乗ったということの相乗効果ではないでしょうか。勝手な分析ですが……。

(構成/安蔵靖志)