テロ対策にも活用できる?

 実際に自動化された顔認証システムを試させていただいた。確かに速い。タブレットの前に立ち、QRコードが読み取られた瞬間、顔認証が始まり1秒かかるかどうかでチケットが発券されるのだ。「髪形が変わったり、メガネのありなし、ひげの有無などは、きちんと同一人物として認証します」と冨澤氏。

 顔認証はNECが開発した「NeoFace」という顔認証エンジンで処理している。国際空港の出入国審査カウンターなどでも使われている高精度なものだという。イベントの入場に使うにはオーバースペックと言っても良いほどらしい。「10年以上前の写真でも今の顔で通してくれますよ。それでいて、似ていても親子はきちんと別人と判断するし、鏡像も別人として判定します」(冨澤氏)。

 面白いのは、最初からだまそうとしている人は、スタッフの目視のシステムだと長くごねることもあるが、自動システムだとあきらめるのが速いらしいこと。何となく分かる気がする。

 顔認証システムは、最終的にはセキュリティー対策やテロ対策にもつながっていく。入場時の本人認証だけでなく、会場のどの席に誰が座っているかを管理できるからだ。容疑者の洗い出しはもちろん、被害者の安否の状況など、誰がどこに座っているか分かれば、もしものときにかなり有益な情報をもたらすはずだ。「顔認証システムは不特定多数を特定多数にするシステムでもあります」と冨澤氏はいう。

 入場時の本人認証以外の活用法も模索中だ。「顔認証システムはアイデアによってさまざまなことができるシステムだと思っています。すでにももクロの豊洲ピットでのカウントダウンライブでは、再入場管理にも顔認証システムを使いました」(冨澤氏)

 顔認証システムは、エンターテインメントの世界で、より良いユーザー体験を与えるツールとしても重宝しそうだ。既にテイパーズは、「スーパーラグビー2016」でボランティアスタッフを管理するために使うなど、顔認証システムの新しい使い方をテストしているという。

左:実際の現場では、顔認証システムはこのように置かれている<br/>右:自動化された顔認証システムが使われているイベントの実際の様子
左:実際の現場では、顔認証システムはこのように置かれている
右:自動化された顔認証システムが使われているイベントの実際の様子
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(文・写真/納富廉邦)