しかし3軸デジタル安定システムによって細かな振動がほぼ完全に打ち消されているおかげで、まるで鳥や風船で浮遊しているかのような映像を撮影できる。最高水平速度で前進後進、左右スライドしても、映像はまったく傾かない。今回は自然の風景を撮影することは叶わなかったが、機会があれば郊外の花畑の上をゆったりと飛ぶ映像などを撮影してみたいものだ。


都内のフットサル場で飛ばせる
飛行物体を操る痛快さ、自らが宙を舞える感覚を味わえ、また空中視点からの撮影も楽しめるParrot Bebop 2だが、飛ばせる場所は非常に少ない。
2015年12月10日に施行された改正航空法によれば、空港やヘリポートの周辺地域、150メートル以上の空域、家屋の密集している地域では、安全性を確保して許可を受けた場合のみ飛行可能となっている。
ドローンメーカーのDJIが公開している地図「飛行許可が必要なエリア」で確認してみると、大都市近郊で飛ばせる場所は皆無だ。そこで郊外で飛ばせる場所を探そうとしても、公園などは自治体が条例でラジコンの飛行を禁止していることが多い。もちろん私有地で許可を得ずに飛ばすことなど論外だ。
しかし、ドローンを飛ばせる場所は少しずつ増えてきているようだ。たとえば今回Parrot Bebop 2の飛行風景の撮影に使用した「ミズノフットサルプラザ千住」では、屋内のフットサルコートをドローンの飛行目的で借りられる。平日ならビジター料金で10~12時が7560円/1H、12~19時が9720円/1H、19~23時が1万5120円/1Hで、土日祝も1万5120円/1Hで利用できる。東京23区内でドローンを飛ばせる貴重な施設だ。
また、「会津高原たかつえスキー場」や「斑尾高原エアフィールド」、「アサヒテングストン ドローンフィールド」などでは、スキーシーズン以外の季節にドローンの飛行が可能だ。
ドローン愛好家が増えていけば、それにともなってドローンを飛ばすために利用できる施設も増えていくことが期待できる。しかし無許可で飛ばしたあげく、事故などを起こしてしまった場合には、再び逆風が吹いてドローンにとっての冬の時代が長く続きかねない。ドローンが一層の市民権を得て、もっといろんな場所で飛行や撮影を楽しめる時代を迎えるために、節度ある利用方法を心がけていきたいものだ。
(文/ジャイアン鈴木)
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