これは、従来のPrime Nowと配送の流れが違うため。従来のPrime Nowは注文が入るとPrime Nowの配達員がアマゾンの倉庫から会員に商品を配達していたが、提携店での注文の場合は、Prime Nowの配達員が各提携店の店頭から注文商品をピックアップし、会員に届ける。このため、配達可能エリアや時間、配送料が、提携店舗の所在地や営業時間などに依存するわけだ。
これまでアマゾンでは、自社倉庫から発送する商品だけをPrime Nowの対象にしてきたが、Prime Nowでは、会員宅まで短時間で届けるというサービスの性質上、会員の住居に近いエリア、すなわち都市部に倉庫を置く必要がある。「その分、倉庫の容量は小さくなり、品数が少なくなった」(アマゾンジャパンPrime Now事業部の永妻玲子事業部長)。各種店舗と提携することで、アマゾンにとって現状の倉庫のまま、取り扱い商品数を増やせるというメリットがある。
百貨店では寿司やサンドイッチなどの弁当や惣菜、ワインや日本酒、生菓子などがまとめて買えるので、オフィスやホームパーティーなどのケータリング代わりに便利そう。ドラッグストアでは、ベビー用品や化粧品、介護用品などがそろうので、小さな子供がいて外出しにくい人などに役立ちそうだ。アマゾンの通常のネット通販では、消炎鎮痛剤「ロキソニンS」や胃腸薬「ガスター10」などの第1類医薬品も含む医薬品の販売を始めているが、Prime Nowでも「近々、医薬品も販売したい」(永妻事業部長)と意欲を示している。
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