「手ぶら解錠」もできるが……

 スマートウォッチへの対応以外にも、Qrio Smart Lockには便利な機能がある。そのひとつが「手ぶらで解錠」だ。

 「手ぶらで解錠」は、スマホのGPSなどを活用して位置情報を取得することで、スマホなどで操作しなくてもドアの前に来るだけでドアの鍵を解錠してくれる機能。鍵やスマホを取り出す手間どころか、鍵を開ける手間さえなくしてくれる。

 こちらはスマートウォッチでの操作を超える優秀な機能なのだが、ちょっとした弱点もある。それは、GPSの受信状態によって反応に差が出るため、利用環境によっては動作しないケースもあるということ。

 筆者の自宅では問題なく動作しているが、解錠までの時間については2〜10秒程度と幅がある。その点からも、決して万能ではないことが分かるだろう。

 ただ、この「手ぶらで解錠」は今のところβ版であって正式な機能ではない。そのため、動作にムラが出てしまうのは仕方のないところだ。

 荷物を両手で持っているときなどは助かる機能なので、今後のアプリやファームウェアのアップデートで精度が上がることを期待したい。

「手ぶらで解錠」の設定画面。利用する前にGPSを使って位置情報を設定する。また、利用時にはスマホのGPSをONにする必要がある

 そのほか、解錠後に設定時間が経過すると自動で施錠する「オートロック」や、鍵情報を共有する「キーシェア」なども備える。

 キーシェアは、イメージとしては利用期間を限定できる合鍵を自由に渡せる機能。例えば、たまに訪れる親族や友人などに対して、訪問日だけ利用できる鍵をシェアすることが可能だ。手軽に渡せるだけでなく、鍵の情報を失効させるだけで利用不可にすることもできる。

「オートロック」の設定画面。解錠後の動作までの時間は10~60秒で設定できる
「キーシェア」のキー作成画面。利用期間は、曜日や時間の細かい指定も可能。作成したキーはメールなどで簡単に送れる

「進化する鍵」なのがいい

 実際に使ってみるとQrio Smart Lockはしっかり動作するし、便利な機能もそれなりにそろっている。

 先述したように発売当初のQrio Smart Lockは電波の問題などでうまく動作しないケースもあったようだが、アプリやファームウェアの改善によって、完成度が高めてきたという経緯がある。

 当然、今後も安定性の強化や機能の拡充などは随時行われるはずだ。さらに進化することを踏まえると、導入する価値は十分にあると感じる。

 サムターンを備えたドアであれば、多くの住宅で簡単、気軽に導入できる。「日常生活をもっと快適にしたい」と考えている人は試してみるといいだろう。とくに、鍵をよく忘れたり失くしたりする人、スマートウォッチを活用している人にはおすすめだ。

(文/近藤 寿成=スプール)