カレーは辛いほうがいい?

 その後、心肥大の患者を対象にした臨床試験も行われた。患者を2グループに分け、一方に1日60mgのセラクルミン、もう一方にプラセボ(偽薬)を半年間投与した結果、セラクルミンのグループは心臓の固さを示す指標が明らかに改善した。つまり、「心臓の筋肉が柔らかくなった。ポンプ機能が改善することで、心不全が改善する可能性がある」と砂川助教。臨床試験は現在も継続中だという。

 心臓を柔らかくして肥大を抑えるということは、「心臓のアンチエイジング」と呼んでもいいだろう。クルクミンの効果が、またひとつ発見されたわけだ。

 食事からクルクミンをとろうと思ったらカレーライスが最適だろう。クルクミンは吸収されにくいのが欠点だが、「カレーのようにスパイシーなものを食べると血流が良くなって、腸から吸収されやすくなる。なるべく辛いカレーを食べたほうがいい」と堀江教授はアドバイスする。

 体内の炎症を抑え、がんや心不全といった命にかかわる病気を予防してくれる可能性を秘めたクルクミン。飲み会の前後に限らず、辛いカレーやサプリメントで、積極的にクルクミンを補給しよう!

(文/伊藤和弘、イラスト/うぬまいちろう)

今回、教えていただいたのは、
静岡県立大学薬学部分子病態学分野の砂川陽一助教
2012年、京都大学大学院医学研究科博士後期課程修了。ポスドクを経て、14年8月より現職。主に心疾患発症時における心筋細胞核内の情報伝達経路や、クルクミンが転写活性化因子の活性を抑えるメカニズムなどを研究している。日本抗加齢医学会員。

順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学の堀江重郎教授
1985年、東京大学医学部卒業。東大病院勤務後、米国テキサス州で医師免許取得。2003年、帝京大学医学部泌尿器科学主任教授に就任。12年より現職。日本抗加齢医学会副理事長。日本メンズヘルス医学会理事長。主な著書に『ホルモン力が人生を変える』(小学館101新書)、『ヤル気が出る! 最強の男性医療』(文春新書)など。