「虹彩認証」は使い物になる?
Galaxy S8/S8+にはGalaxy Note 7譲りの虹彩認証センサーが搭載されている。虹彩認証センサーは、接触型の指紋認証センサーと異なり複製が困難なため、より高い安全性を備えている。
しかし同じ虹彩認証を搭載していたGalaxy Note 7を試用した経験から言うと、画面上のふたつの円の中に目を合わさなければならないため、少々利便性に欠けるというのが率直な感想だ。
Galaxy S8/S8+には指紋認証センサーも搭載されている。だが、ベゼルレスデザインを実現するにあたり物理式ホームボタンが廃止されたため、背面に移動した。背面の指紋認証センサーは、端末を握るという自然な動作からシームレスにセンサー部をタッチできる。しかし、リアカメラと指紋認証センサーが近接しているため、レンズカバーを指紋で汚してしまいがちだ。カメラ利用時はレンズカバーが汚れていないか、毎回確認する必要があるだろう。
カメラ性能やバッテリー容量は抑え目
基本スペックは順当に進化している。チップセットには最先端の10nm(ナノメートル)プロセス技術で製造されたものを採用。グローバルの製品公式サイトでは「Octa-core (2.3GHz Quad + 1.7GHz Quad), 64 bit, 10nm processor」または「Octa-core (2.35GHz Quad + 1.9GHz Quad), 64 bit, 10nm processor」のいずれかが国やキャリアごとに採用されると記載されている。なお、クアルコムは、最新のチップセット「Snapdragon 835」がGalaxy S8/S8+に採用されたと発表している。
日本で発売されるモデルにSnapdragon 835が搭載されるのか、それとも同じく10nmプロセスで製造されるサムスン製「Exynos 8895」などが採用されるのかは現時点では未定だ。いずれにしてもベンチマークスコアはともかく、両者に体感できるほどの差はないものと思われる。
メモリー(RAM)は4GB、ストレージは64GBとグローバルサイトには記載されているが、こちらも国やキャリアごとに仕様が異なる。Galaxy S7 edgeと同じように32、64、128GBなどのモデルが用意されるのだろう。Galaxy S7 edgeは日本で32GBモデルのみが発売されたが、アプリケーションが大容量化していることを考えると64GB以上のモデルを投入してほしいところだ。
個人的に拍子抜けだったのがカメラ性能だ。発表会のプレゼンテーションではカメラのスペックについては細かく触れられなかった。グローバルサイトによれば、フロントカメラはGalaxy S7 edgeより300万画素高画素化された800万画素イメージセンサーが搭載されているものの、リアカメラは1220万画素から1200万画素にわずかに低画素化されている。
フロントカメラ、リアカメラともにf1.7と明るいレンズを搭載しており、サムスンの画像処理エンジンには定評がある。しかし、アップルやファーウェイ、LGエレクトロニクスの旗艦機種ではデュアルカメラなどにより高倍率撮影やぼけ効果、暗所撮影機能を提供しているだけに、なんらかの新提案がほしかったところだ。
バッテリー容量は、Galaxy S7 edgeが3600mAh、Galaxy Note 7が3500mAhだったところ、Galaxy S8が3000mAh、Galaxy S8+が3500mAhとなっている。容積の大きなGalaxy S8+はもっと大容量のバッテリーを搭載できそうだが、Galaxy Note 7の発火事故の教訓を生かし、余裕のある設計とした可能性がある。
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