客室内のロボットはじゃんけんもできる
だが施設面では、はっきりとした進化を感じた。一番は何といっても、朝食専用のレストランが併設されたこと(ハウステンボスではドリンクを提供するカフェスペースと、簡単なフードの自動販売機しかなく、食事は外に出なければならなかった)。舞浜の周囲が住宅街で、飲食施設がほぼ皆無なこともあるのだろう。また客室の設備も格段に充実していた。ハウステンボスではテレビも冷蔵庫も電話もパジャマもないビジネスホテル仕様だったが、舞浜の客室にはすべてが完備されている(ただし電話は内線のみ使用可能)。
ハウステンボスで各客室に設置されているコンシェルジュ・ロボット「ちゅーりーロボ」は、舞浜ではAI搭載のコミュニケーションロボット「Tapia」にチェンジ。機能が進化し、より高度なサービスができるようになっているという。音声コマンドによって室内の照明やテレビ、エアコンのオンオフや設定変更、ゲーム、天気予報や占い、ニュースの音読などをしてくれるほか、じゃんけんをして遊ぶことができるとのこと。簡単なことのように思えるが、「グー、チョキ、パーの人の手の形を学習している」「こちらが出した手の形を認識する機能がある」のは画期的なことだという。
またチェックイン時に希望すれば、スマートフォンを使ってVR体験ができる段ボール製のゴーグル「ハコスコ」を貸し出す。それを使えば、客室内で恐竜の世界を360度見渡せるVR体験ができる。
チェックイン・チェックアウトの恐竜ロボットが多言語対応(日本語・英語・中国語<簡体>・韓国語)になったこと、名前の確認を音声認識でできるようになったことも進化。とはいえハウステンボス同様、作業のほとんどはタッチパネルの指示で進み、恐竜ロボットの機能の大部分はアナウンスであることはあまり変わりなかった。
ハウステンボスの稼働率は現在90%以上だと聞き、「それだけ人気が高いのなら、別に変える必要もなかったのでは」という素朴な疑問も浮かんだ。だが澤田会長兼社長によると、この進化と変化には、ビジネス戦略のうえでの大きな意味があるのだという。
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