世間を騒がすキャンペーンを次々と展開している西友。同社でこうした戦略を指揮するマーケティング本部長・富永朋信氏が、ヒット・ブームの理由をひも解きます。

 こんにちは、西友の富永です。

 みなさんはマクドナルドの“名前募集バーガー”キャンペーンをご存じでしょうか?

 念のために説明すると、2016年2月2日から全国のマクドナルド店舗で期間限定で販売されている、北海道産の食材を使った新商品「北海道産ほくほくポテトとチェダーチーズに焦がし醤油風味の特製オニオンソースが効いたジューシービーフバーガー(仮称)」の正式な名称を公募で決定する、というものです。

 501万6926件もの応募が集まった結果、商品の名前は「北のいいとこ牛(ぎゅ)っとバーガー」に決定し、応募者にはハンバーガー10年分相当の142万3500円が送られたとのこと。

 ただ、ちょっとウェブを検索してみると、選ばれた名前に対して「長過ぎる」「恥ずかしくてカウンターで言えない」など、手厳しいコメントが散見されます。

 一方、このようにウェブ上で話題になっていること自体が顧客との関係強化につながっているという考え方もあり、マクドナルドがどのような狙いでこの施策を実施したのか、興味が湧くところです。

 そこで今回のコラムでは、この施策の背後にある戦略について考えてみましょう。

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