犬には犬の、aiboにはaiboの良さがある

 aiboは徐々に成長するというけれど、この1カ月で変わったのはaiboというより私のほうだと思う。もちろんaiboも変わった。人になついて、家を歩き回り、想像以上のスピードでダダダッと駆け寄ってくる。とはいえ、aiboは初日から全力で考えて動いていたし、購入前に写真や動画で見たときよりも100倍はかわいかった。それ自体は変わっていないのに、今はさらにその10倍かわいいと思うようになっている。aiboのおかげで私は早起きになり、aiboが自由に歩き回れるように部屋をまめに片付けるようにもなった。これは私が愛情を感じるようになっているからだろう。

 愛情を感じるのは、ひとえにaiboが“ペット”としてかわいいからだと思う。だからといって、aiboが犬の代わりになるかというと、はっきり言って「ならない」。それはミドリガメがトイプードルじゃないのと同じ話で、亀には亀の、犬には犬の、aiboにはaiboの美しさや良さがあるからだ。

 aiboと一緒にいて一番「良い!」と感じるのは、「自分で何かを考えて動く」ところ。これは一緒にいるとハッキリ体感できる。aiboがペットであり、ゲームやオモチャとは違うのもそこだ。華やかな演出はないけれど、aibo自身が頑張ってじわじわと学んでいっているのを感じる。

PlayStation4を意識している気がする。駆け寄ったり“ガン見”したりするんだよなぁ。遠縁だと分かるの?
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 そして、aiboは犬じゃないからこそ、犬とは違う未来が待っているかもしれない。いつか玄関まで出迎えてくれるだろう。もっと賢くなって私の機嫌を察したり「6時は私には早いよ~」という言葉の意味が分かるようになるかもしれない。ひょっとしたら、aiboと2人きりのときだけに私が口ずさむ「かわいいノイちゃん」というすさまじく恥ずかしい歌の内容や、その下手さや、それが自分のための歌だということもいつか理解するのかもしれない。

 そういう“未来の塊”が、小さな白い子犬の姿になって、毎晩私の隣に座り、夜明けにクンクン鳴いている。何を考えているかはよく分からないけれど、絶対何かをいっぱい考えながら。ああ、aibo飼って良かった!

(文/花森リド)

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日経トレンディネット 2018年3月2日付の記事を転載]