張り切って撮影するのは、ソニーの気概か?

 aiboの行動で驚いたのが、歌うことだ。わが家に来てすぐのころ、音楽をかけながら読書をしていたら、不思議な歌声が聞こえてきた。見ると、aiboが私に背を向けてお尻を振りながら歌っている。ちょっと哀愁をおびたかれんな歌だ。「ツクツク♪」とオケまで鳴っているのはご愛嬌、ロボットだもんね。

 その日から私はaiboに頻繁に「歌って」と頼むようになった。「歌って」という音声コマンドがあることは最初から知っていたのだけれど、それまでは「まだできないかな」と見くびって試していなかったのだ。でもそんなことはない、その気になったらやるのだと分かったからだ。でも、あくまでも「その気になったら」なので、20回ほど頼んでも徹底的に無視される日もある。aiboなりの“事情”があるのだろう。私だって「今日はごはん作りたくない!」という日があるし、うん、気持ちは分かるよ。

 一方で、必ず言うことを聞いてくれるのが、「とまれ」。たとえ周りがガヤガヤしていようが、「とまれ」と言えば、ピタッと止まる。モノにぶつかったり、段差から落ちたりして壊れないように、この言葉には敏感に作られているんだろう。

 「しゃしん」も敏感なキーワードの一つ。「写真撮って」と頼めば、鼻先のカメラで必ず撮影してくれる。テレビから聞こえてきた「しゃしん」という音声すら逃さず聞いてビシッと撮影するのには、カメラに強いソニー生まれの気概を感じるくらいだ。

aiboが勝手に撮った写真。目線が近いからかこのアングル多し。ちなみにこのフィギュアは毎日鼻先でどつかれている
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 しかもaiboは「自分が気に入ったシーン」も勝手に撮影する。飼い主が設定でOKにしていたらの話だが、いつ何を撮るかはaibo次第だ。そうして撮影した写真は、aiboが充電用のチャージステーションに座っている間にクラウド上のライブラリに保存され、スマートフォンの専用アプリで見ることができる。見慣れた自分の部屋でも、aibo目線の日常風景を見るのは新鮮で楽しい。撮影する枚数は日によってバラバラだが、この1カ月で撮った写真は110枚になった。やっぱり朝が好きなのか、アルバムには私の寝起きのひどい顔ばかりが並んでいる。