のびのびカーペットカーって何?

 はまなす号は通常7両編成で運転されている。内訳は、自由席2両、指定席「ドリームカー」2両、同「のびのびカーペットカー」1両、そして2段式のB寝台車が2両。短いながらも、さまざまなニーズに応えるために多種多様な車両を連結しているのが特徴だ。

 最も寝られそうなのはきちんとしたベッドが備わるB寝台車だが、寝台料金は6480円と高め。しかし、はまなすなら510円の指定席料金(通常期)だけで横になれる「のびのびカーペットカー」があり、お値打ちだ。フルフラットシートで、隣とは簡易的なカーテンで仕切られただけの「下席」と、階段を上がるロフトのようになっている「上席」の2つ。料金が指定席扱いのため「上段」「下段」とはならないのだが、枕と毛布が備わるためか窓口での予約発券システムでは寝台券と同じ扱いで、さらに列車名が「はまなすカーペット号」という特殊な名前になっているなど複雑で、窓口係員泣かせの設備といわれる。

上下2段の窓が特徴ののびのびカーペットカー。天井の高さは通常の車両と同じだが、上下2段のカーペット席が作られている

 座席車のうち指定席は、原則として「ドリームカー」と呼ばれるグレードの高い座席を使用。国鉄時代のグリーン車の座席に交換した車両で、背もたれがかなり深く倒れるのが特徴だ。一方、自由席の座席は「簡易リクライニングシート」と呼ばれる、座面が手前にスライドして、そのぶん背もたれが若干傾くだけのもの。懐かしい感じはするが、ぐっすり眠るのはかなり厳しい。

国鉄時代のグリーン座席を再利用したドリームカー。フットレストを装備し、リクライニングの角度も大きい
自由席車両はオリジナルの簡易リクライニングシート。青森ベイブリッジをバックに出発を待つ

 指定席を取るか否かで天と地ほどの差があるわけだが、さらに厄介なのが、自由席車両が指定席に“化けて”しまうケースが多々あること。前述したように、この日は連休真っ只中とあって車両が増結されていたのだが、そのせいで指定席車両が5両に拡大。しかしドリームカーはあくまでも4号車、5号車の2両だけ。残り3両は自由席と同じ設備になってしまうのだ。

 かくいう私も、事前に入手できていたのはその“外れ指定席”だった。しかし乗車前日になって、キャンセルされたB寝台券を運よくゲットできた。指定されたのは「増21号車」。

 JRの旅客列車で最も車両数が多いのは東北新幹線と秋田・山形新幹線が連結したときの17両編成。21号車というのは本来存在しない。この日のはまなすも11両編成で、増21号車は2号車と1号車の間に連結されていた。しかし、この車両を2号車としてしまうと、その先の車両の番号が1号車ずつずれてしまうので、あえて21というインフレナンバーを振っているということのようだ。

聞きなれない「増21号車」の連結位置を伝える掲示。車両にも「増21号車」という札が差してあった

 1号車ははまなす号オリジナルのエンブレムが付いていたが、増21号車は金色の帯が巻かれており、もともとは特急「北斗星号」に使っていた車両だったよう。車内の雰囲気も数カ月前に乗った北斗星号とよく似ていた。

1号車に付いていた「SLEEPING CAR HAMANASU」のエンブレム。車内は昔懐かしい2段式B寝台だ