気軽に飛ばせて改造も楽しめる“ドローン版ミニ四駆”になれるか

 夜の19時30分から始まったイベントは2時間ほどで決勝レースを終え、22時過ぎには参加者が家路についていった。R/Cカーのレースの多くは、早朝から日没まで一日がかりのイベントとなるのが一般的なので、それと比べるとあっさりしている。

「ドローンレースの楽しさ、奥の深さを広く知ってもらいたい」と語る京商の鈴木明久社長

 京商の鈴木明久社長は「R/Cカーのレースは内容があまりに先鋭化したことで、ユーザーがレースから離れてしまう傾向があった。DRONE RACERはその反省をもとに、誰でも気軽に参加できるように心がけた。その1つが開催時間。まる1日参加者を拘束してしまうようでは途中で脱落する人も出てくるし、はなから敬遠されてしまう。そこで、2時間で終わることを目標にイベントを企画した」と語る。この“誰でも気軽に楽しめる”というコンセプトが、DRONE RACERの大きな特徴といえる。

 気軽に始められるよう参加のハードルを下げる一方で、パーツ交換でさらなるパフォーマンスアップを目指したり、PCを接続してコントローラーの設定を変更するとスピードや操縦性を高めたりできるようにした。ミニ四駆にも通じる“いじる楽しみ”も盛り込んだわけだ。この日のイベントも、親子連れの参加者が多数見受けられた。

 京商で広報・マーケティングを担当する矢嶋孝之グローバルマーケティングマネージャーは、「今回のレースは京商が開催したが、あまりメーカーがレースにかかわりすぎると、いきおいレースが尖ったものになりがち。今後は、DRONE RACERのオーナー同士でレースを開いて楽しんでもらえる環境作りをサポートしていきたい。より多くの人にDRONE RACERに触れてもらえるよう、体験会などのイベントも用意する」と話す。

 レーシングカーに似たスタイリングと操縦感覚から、ドローンユーザーに多いR/C飛行機やR/Cヘリコプターなどの経験者だけでなく、圧倒的に多いR/Cカーのユーザーも親しみやすいのがDRONE RACERのポイントだ。ドローン特有の難解な操縦性や扱いを極力排したDRONE RACERは、世代を超えてユーザーの幅を広げることも期待されている。子どものころにミニ四駆で遊んだことが、大人になってプラモデルやR/Cカー、さらには実車に興味を広げるきっかけとなったように、このDRONE RACERでドローンに興味を持ち、空撮をはじめ測量や点検といった職業としてのドローンパイロットを子どもたちが目指すきっかけになるかもしれない。

レースで30名、体験会で約20名の参加があった今回の大会は、子ども連れのファミリーの姿も目立った。SPLASH横浜ベースでは、今後も同じような競技会を開催していく予定だという

(文/青山祐介)

日経トレンディネット 2017年2月14日付の記事を転載]