ワイドモデルやイタリアンレザータイプも展開

 ランドセルは子どもが使いやすい・背負いやすいように作られているため、大人が仕事に用いても使い勝手がいい。とはいえ、そのままではマチ幅が広く、丸みのあるフォルムのため、大人が持つには違和感がある。そこで大人ランドセルはマチ幅を狭めると同時に、収納力を確保しながらすっきり見えるよう、底部から上部にかけて斜めに設計。横から見ると台形になっていることが分かる。また、フラップも丸みを抑えてシャープな印象に仕上げるなど、ランドセルの機能性は継承しながら、大人でも違和感なく使える工夫を施したことがヒットにつながったといえるだろう。

大人でも使えるよう、マチ幅10センチとシャープに設計。上部よりも底部のマチがやや広い作りになっているのも特徴
長年培ってきたランドセル製造の技術を生かしながら、大人向けのディテールを数多く搭載。たとえば上部の手持ち用ハンドルは電車シーンを想定して握りやすくなっている

 ヌメ革を使用した「OTONA RANDSEL 001」のほか、イタリアンレザーを用いた「OTONA RANDSEL 002」も展開。上質感のあるシボ立ちと、オイルをたっぷりと含んだ柔らかな表情が大人っぽい。植物タンニンで革をなめす、イタリア伝統のバケッタ製法で仕立てた革は、ソフトタッチながら繊維が密で強靱。使うほどに光沢が増し、エイジングも楽しめる。

イタリアの高級皮革、バケッタ・ミリングレザーを使用した「OTONA RANDSEL 002」もラインアップ(税込み各10万円)
「OTONA RANDSEL 002」は革の雰囲気を生かすため、エッジの仕上げは場所によってパイピングとコバ磨きを併用している
メーン室のサイズは001と同じだが、外ポケットの形状が若干異なる。フラットでよりスタイリッシュな作りだ

 そのほか、収納力と使い勝手を高めたワイドモデルも2016年10月末に登場した。マチ幅が1センチ広がり容量アップ。外ポケットもひと回りサイズアップし、トレンドである長財布も難なく入るので、ビジネス用として活躍する。

写真は001と「OTONA RANDSEL 001wide」のサイズ比較。わずか1センチのマチ幅の違いで印象が大きく異なる。ちなみに価格はどちらも同じで税込み10万円
ベーシックモデルとワイドモデルは、外ポケットの形状・サイズも異なる。ヌメ革の001と、イタリアンレザーの002のどちらもワイドモデルを展開している

 大人ランドセルの購入者は20~70代と幅広いが、主に30~40代だという。「男女問わず使えるので、ご夫婦で兼用されている方や、娘の入社祝いとしてご購入されるお父様もいらっしゃいます」(舟山氏)。

 また、ユーザーの声としては、「自慢したくなる」という声も多いらしい。袋仕立てのリュックとは根本から製法が異なるため、土屋鞄ではこの大人ランドセルをリュックとは呼ばず、あくまでもランドセルという位置付けにこだわっている。これはランドセル製造への絶対的な自負があるからにほかならない。大人ランドセルは実用性や特徴的な見た目だけでなく、土屋鞄が手がけているからこそ所有欲が満たされ、自慢したくなるのではないだろうか。