輸入車はトレーラータイプ、国産車は乗用に使えるものが主流
一方、人気のSUVやミニバンをベースにしたキャンピングカーは、全体としては少数派といえる。ミニバンだとスペース的に2人程度の就寝定員が上限だろうし、屋根部に就寝できるポップアップルーフ付けると約70万円かかるため、同じ費用をかけるならバンベースのものを選ぶ傾向があるからだろう。またSUVは車体をキャンピングカーにカスタマイズするより、キャンピングトレーラーをけん引するほうが機動性も生かせて便利に使えそうだ。
キャンピングカーの保有台数は、過去11年連続で増加しており、現在10万台を超えている。新車と中古車をあわせた販売総額も過去最高の365億4291万円(2016年)と成長を続けている。最新データとなる2016年の販売台数は国産キャンピングカーが4868台、軽ベースのキャンピングカーが1096台、輸入車は496台で、国産キャンピングカーはほぼ横ばいだが、輸入車は前年比168%と大幅な伸びを見せている。ただし輸入車はトレーラータイプ、国産車はミニバンやバンなど乗用にも使えるものと、使い方や求めるポイントがはっきり分かれていることがうかがえる。
今後もキャンピングカー市場が成長していくには、取り込んだ比較的若いファミリーユーザーを定着させていく必要がある。ミニバン同様に子どもが成長すると彼らはキャンピングカー離れを起こす可能性もあるからだ。いったん取り込んだユーザーを、「キャンピングカーそのものにハマる」ユーザーに変えていくためには、魅力的なキャンピングカーだけではなく、気軽にオートキャンプを楽しめる環境や、手軽に利用できる機会を作っていくことも重要になりそうだ。
(文・写真/大音 安弘)
関連外部リンク
[日経トレンディネット 2018年2月14日付の記事を転載]
Powered by リゾーム?