アレルギー対応フードも進化している

東京動物医療センターで推奨している獣医師専用の療法食の一つ「BLUE NATURAL Veterinary Diet 犬用HF/食物アレルギーに対する加水分解フード(900g)」(実勢価格は2140円※編集部調べ)。分子量が非常に小さく食物アレルギーの原因となりにくい「加水分解サーモン」を使用
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 こうした飼い主の苦労をサポートする形で伸びているのが、アレルギー対応の療法食ペットフードや、珍しい原材料を使ったペットフードだ。

 2002年に米国で設立されたペットフード会社、ブルー・バッファロー社(米国コネチカット州)の世界初の海外進出先が日本であり、2016年1月から全国のペット専門店で犬と猫用の総合栄養食を、2016年12月から動物病院で療法食を販売開始。以降、前者は約1600の専門店で取り扱いがあり、後者は約4000の動物病院で推奨されるようになった。「(通常のフードに含まれる)アレルギーの原因となるたんぱく質ではない“新奇タンパク質”として、非常に分子量の小さい加水分解サーモンを使用していること。抗原物質を非常に高い感度で検出する検査を通していることで食物アレルギーに配慮し、さらにプレバイオティクス繊維などによる善玉菌の支援や、良質な食物繊維が軟便を防ぐことから、アレルギー食に一般的に伴う軟便を起こしにくいこと。こうしたことが、飼い主や獣医師から歓迎されている理由の一つかもしれない」(同社)。

左は「ロイヤルカナン セレクトプロテイン(ダック&タピオカ/1kg)」(実勢価格は2515円※編集部調べ)。東京動物医療センターで推奨している獣医師専用の療法食の一つ。食物アレルギーの原因となりにくく、また消化性の高いタンパク源(ダック=アヒル)および炭水化物源(タピオカ)を使用している。右は「ロイヤルカナン アミノペプチド フォーミュラ ドライ(1kg)」(実勢価格は3532円※編集部調べ)。窒素源は食物アレルギーの原因とならないアミノ酸およびオリゴペプチドで構成されたドッグフードで、炭水化物源としてコーンスターチを使用
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 また、FINEPET'Sのペットフードを販売しているエヴリワンズ(東京都渋谷区)によると、同社のドッグフードはアレルギー対応フードではないが、肉類原材料の使用割合が多く、グレイン(穀物)フリー、化学合成添加物不使用のため、アレルギーに悩む犬の飼い主に好評だという。「アレルギーは生活中のさまざまな要因により発症する。犬がもともとも持つ強い免疫力・自己治癒力に働きかけることで、アレルギーになりにくい体質にさせることこそが、これから重要だと考えている。アレルギーを改善するのではなく、そもそもアレルギーになりにくい体を作れるフードが求められているのではないか」(同社)。

 ところで人間の場合、食物アレルギーをはじめアレルギーが判明した場合の治療や、発症しないようにするためにスキンケアが重視されている。特に乳幼児の段階からしっかり保湿することがアレルギー発症の予防になることは近年広く知られるようになってきた。実はこれはペットの場合も同様で、スキンケアが治療だけでなく、予防にもつながるという。

フランス産のケージフリーで育てられたアヒル肉と、天然のオランダ産ニシンを全体重量の9割使用している「FINEPETSドッグフード『極(KIWAMI)』(1.5kg)」(5278円)。アレルギー対応フードではないが、アレルギーを起こしにくい原材料を使用しているという
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(文/桑原 恵美子)

日経トレンディネット 2018年1月31日付の記事を転載]