対処法は「ペットが食べたことのない食物探し」

 実際に食物アレルギーが判明すると、最初にするのはフード探しだ。

 例えば鶏肉にアレルギーがあった場合、加水分解で分子を小さくし、アミノ酸に近いような低分子化することによって、体が鶏肉と認識しないようにすることができる場合がある。犬のアレルギーには「1型」と「4型」があり、食品アレルギーなら「1型」は、この加水分解食で症状が改善するという。

 ただし犬のアレルギーで圧倒的に多いのは、加水分解食を与えても特有のたんぱく質には必ず反応してしまう4型だ。この場合、原因となる材料自体を食べないようにしない限り、症状は治まらないとされている。アレルゲンを特定するのが難しい4型の場合、「生まれてからこれまで食べたことのない食品」を探すしか方法はない。なにしろ母親の乳からの感作(かんさ)が原因でアレルギー体質になる場合もあるので、アレルゲンを含まないフード探しはかなり難航する。珍しいといわれているカンガルーの肉でもジャーキーなどおやつの形で販売されている今の日本では、「自分も親も食べたことがない食材」で作られたフードを探すのは至難の技だ。

 こうした4型のアレルギーを持つ犬用に、シカ肉やカンガルー肉などのレアな原料を使用している療法食が数多く販売されている。しかし、珍しい食材を使ったフードほど安定供給が難しく、突然、終売になることもある。そうした場合、食べられる原料を使って食事を手作りする方法を医師から提案することもあるそうだ。

 だが病院では基本的に「処方するドッグフード(療法食)を薦めている」と神宮司氏。これは成分や製造工程がはっきり分かっているだけでなく、医学的根拠に基づいて作られており、薬のような位置付けだからだという。だが療法食が体質に合わなかったり、犬が食べてくれなったりする場合は、医師が市販のドッグフードを紹介することもあるし、飼い主が自分で見つけてくることもある。