安価なケーブルでは機器を傷めることも

 結局のところ、激安のケーブルは最初から使えなかったり、使えても短期間で故障してしまう可能性が大きいということだ。とはいえ、少しでも安く買いたいユーザーにとって、ケーブル選びは悩ましいところ。ユーザーの中には「3本買って1本使えればいいや」という気持ちで買う人もいるだろう。

 ただ、「低品質な製品ではケーブルそのものが壊れるだけならまだしも、接続しているバッテリーやスマホ側に悪影響が及ぶことがあります。きちんと作られている製品を選ぶことをお勧めしたい」と猿渡氏は言う。

 メーカーとしては、当たり前すぎる回答な気もするが、故障してアンカーに持ち込まれたバッテリーの中には、低品質なケーブルを使ったことが原因と疑われるケースもあるとのこと。少なくともLightningケーブルは、MFi認証を受けているものを選ぶべきだろう。価格の目安は700円以上。認証がないmicroUSBケーブルの場合は販路にもよるが、ネットで買うなら500円以上のものを選ぶと無難だそうだ。その上で、ほかのケーブルを含めて、アマゾンなどの口コミをチェックすることも重要という。

 きちんと作られたケーブルは外装で保護されているので多少ラフに扱っても故障することはあまりないとのことだが、持ち歩く際に何かにきつく巻き付けたり、急な角度での折り曲げを繰り返すのは避けたほうがいい。

 また、どれほど良いケーブルでも故障をゼロにすることはできないので、旅行や出張などには、予備のケーブルを持参したほうがいいと猿渡氏は言う。僕も痛い目に遭った経験があるので、今後は2本持っていこうと思う。

 最後に3本セットなどで売られているケーブルについても聞いてみた。猿渡氏によると、「数本セットの製品はその分お得なケースが多い」。実は、製造コストで一番高いのが中国などの工場から日本に運んでくる輸送費とパッケージ。セットにする分、1本当たりのそれらのコストが低くなるため、価格も抑えやすいのだという。

 スマホ用ケーブルは、高級品でも1本2000円しない。本来はさほど高額ではないのだが、安価な製品なら200円くらいで買えてしまうため、ついつい安いほうに目が行ってしまう。結局は“安物買いの銭失い”を地で行くことになるのだろう。外出先で使えないと困ることにもなるので、これからはよく考えて選びたいと思う。

最も高い「PowerLine+ライトニングUSBケーブル」にはケースが付属するものもある。カラーバリエーションも用意
最も高い「PowerLine+ライトニングUSBケーブル」にはケースが付属するものもある。カラーバリエーションも用意
■変更履歴
記事中、「データ転送は480bps」との箇所がありましたが「データ転送は480Mbps」の間違いでした。お詫びして修正します。[2017/2/20 15:20]
執筆者/戸田 覚(とだ・さとる)氏

1963年生まれのビジネス書作家。著書は120冊以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。近著に、『一流のプロから学ぶ ビジネスに効くExcelテクニック』(朝日新聞出版)がある。
Facebook:https://www.facebook.com/toda001

日経トレンディネット 2017年2月9日付の記事を転載]