モニターを利用する娯楽を提供した瞬間、風営法が顔を出す

 他の娯楽と比較してみると、テレビゲームという娯楽が置かれた独特の環境が、より明確に理解できるかもしれない。

 例えば、将棋や囲碁。将棋クラブや囲碁クラブなどの、お金を払って対局する場を提供するビジネスは、もちろん合法であり、日本全国津々浦々に将棋クラブが存在している。誰もがいつでも“他流試合”が体験できる環境が整っているからこそ、小さな子どもの中から、次々と才能ある人が育ち、中学生にしてプロになったり、快進撃を見せたりするようなスターが出現した。そして、そのスターを応援する人たちもたくさん存在するから、プロ棋士は職業として成立しているのだ。

 しかしテレビゲームは違う。将棋クラブや囲碁クラブのような、「お金を取って、ゲームを楽しませる場」を提供すると違法となる。このため、ゲーム愛好者が腕を競い合う草の根の大会は、ほぼ開催できないのだ。このような環境下では、ゲームの他流試合を楽しむという文化が発展するわけがないし、優れたプレーヤーを応援する機運も生まれない。これもeスポーツにおいて、日本が海外に完全に出遅れた重大な要因だと思う。

 余談だが、たとえ将棋クラブであっても、そこにPCを置き、ネットを介して対局できる場を提供すると、厳密には違法営業になる。モニターを使っての娯楽はテレビゲームとみなされるため、同じ将棋でも違法になるのだ。ばかばかしいけれど、インターネットが普及するはるか前に作られた法律だから、そのように判断されるのである。

 一方、モニターを使った娯楽を提供しても許される場合もある。その一例が、ゴルフショップなどにある大画面を使ったゴルフシミュレーターだ。まぎれもなくモニターを使った娯楽ではあるのだが、その使用は指導者によるレッスンの一部とみなされるため、風営法によって規制されていない。

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