ツイッターをアクティブに使う若い世代の気持ちをつかんだ

 夏生氏が妄想ツイートを始めたのは、2015年ころ。当時はウェブメディアで編集者をしており、主に通勤時間に投稿していたという。

 「恋愛の妄想ツイートといっても、少女マンガっぽい感じで生々しくないです(笑)」(夏生氏)。恋愛に関してただつぶやくのではなく、「この瞬間、多くの人が一番欲しいものは何だろうと考えて投稿していた」と、夏生氏は話す。深夜なら「疲れて帰ってきたとき家で待ってくれている人がいたら」「大好きな彼が改札で待ってくれていたら」。朝、仕事に行くのがおっくうなときは「彼が背中を押してくれたら」というように、読み手の状況や気持ちを常に想像していたという。

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 夏生氏がツイッター自体をはじめたのは2009年ころで、当時は恋愛に限らず、もっといろいろなことをつぶやいていた。だが、最も反響が大きかったのが恋愛に関するツイートだったという。その理由を「若い世代がツイッターをアクティブに活用しているからではないか」と夏生氏は考えている。若い世代はただ自分の近況を発信するだけではなく、他人が発信して面白かったことを友人たちにも共有したい傾向にあるというのだ。その点、少女マンガのようで胸がときめくシチュエーションが散りばめられた夏生氏のツイートは、若い女性に支持されたのかもしれない。

 「リツイートの数で『ほかの人にも共有したいと考えた人がこれだけいる』とすぐに分かるのがツイッターの魅力。他人とさまざまな思いを共有したいという気持ちが強い自分には向いていると感じた」(夏生氏)。また、「妄想ツイートは反響が大きいだけでなく、自分の体験に縛られないので自由に書きやすい」(夏生氏)というメリットもあるそうだ。

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