【午後10:00 モーテル】

 家賃の高騰はシリコンバレーだけの問題ではなく、世界中の大都市で起きている。サンフランシスコのダウンタウンはニューヨーク・マンハッタンをしのぐ賃料水準だ。アマゾンが増殖しているシアトルも、GEが本社を移すボストンも、「住みたい町ナンバーワン」として知られるオレゴン州ポートランドも、家賃の上昇によって古くからの住民や低所得者が追い出されている。

 その大きな要因は富の偏在とあふれるマネーに違いない。一握りの富裕層は世界の一等地に惜しみなく投資している。都市にアパートを持っているオーナーも家賃を上げるか、エアビーアンドビーに変えるなどして収益増を目指している。それは資本主義経済においては当然の振る舞いだが、結果として資産を持たない人々は町から追い出されている。

 過去30年のグローバリゼーションで世界がフラット化したのは確か。だが、一方で持つ者と持たざる者の差も激しくなっている。それは富だけでなく、知識や技術、人脈などすべてにおいて当てはまる。持つ者はそれを活用して幾何級数的に増やし、持たざる者はスタート地点にとどまる。イーストパロアルトの物語は、その極端な一事例に過ぎない。

■変更履歴
本文中「フェイスブックは賃料の高騰に貢献するため、イーストパロアルトに1000万ドルを寄付した」としていましたが、編集上の誤りでした。「フェイスブックは地域貢献のため、イーストパロアルトに1000万ドルを寄付した」に修正いたします。[2018/04/12 14:01]。「最近は改善しているが、殺人やレイプ、強盗などの犯罪発生率は全米平均を大きく上回る」としていましたが、「殺人やレイプ、強盗などの犯罪発生率は最近まで全米平均を大きく上回っていた」に修正いたします。本文は修正済みです。[2018/04/20 14:35]