「娘に悪いやつらを撃ち殺してほしいと思っている」

リベラルと保守の溝は深い。

ダン:銃規制推進派は何かあった時に、警察が魔法のように駆けつけてくれると思っているんですよ。

 私は19歳の時に強盗に遭って銃を突きつけられました。警察なんて来てくれなかった。私は、銃を私の顔に突きつける2人の犯罪者の情けをひたすら願って、どうにか生き延びることを望むしかできませんでした。

 私はもう、あのような状況にはなりたくない。絶対に。私はシャイアンが強盗の襲撃を切り抜けて生き残ってほしいとは思っていません。シャイアンに悪い奴らを撃ち殺してほしいと思っています。正直な警察官であれば、現場にすぐに駆けつけられるなんて言わないでしょう。自分の身は自分で守りたいんです。

 私が批判したいのはそこです。銃規制反対派は違う世界に住んでいる。怖いから真実を受け入れたくないんですよ。誰かが助けてくれると、誰かが面倒を見てくれると思った方が楽なんですよ。

銃は米国の歴史と文化の象徴という声もある。

ダン:象徴なんですよ。銃は自信、自立、独立、抵抗という力強い象徴だと思います。仮に私が武装していれば、あなた方が私に何かを強制することはできないですよね。私と交渉しなければなりません。話をして、なぜ私がそれをしなければならないのか、説得する必要がある。

「銃を私の顔に突きつける2人の犯罪者の情けをひたすら願って、どうにか生き延びることを望むしかできませんでした」(写真:Retsu Motoyoshi)
「銃を私の顔に突きつける2人の犯罪者の情けをひたすら願って、どうにか生き延びることを望むしかできませんでした」(写真:Retsu Motoyoshi)

規制しても銃乱射は絶対に減らない!

ダン:逆に私が武装してなくて、あなた方が武装した政府の人間であれば、私に命令できるでしょう。「これをしろ。さもなければ……」という話です。

 銃は米国の歴史の中で独特な役割を果たしていると思います。この国は抑圧的な政権が国民から銃を取り上げようとしたことがきっかけで、その政府を倒したんです。それは私たちの歴史と文化に深く根ざしています。それが変わることはないでしょう。

規制すれば乱射事件は減ると思う?

ダン:絶対に減らないでしょう。オーストラリアは厳しい銃規制法を制定しましたが、その後も乱射事件は起きています。ノルウェーにも厳しい規制がありますが、EU史上、最悪となる銃乱射事件がありました。

 犯罪者は必ず銃を手に入れることができるんですよ。米国には4億丁の銃が存在しており、毎日1万7000丁が生産されています。1500万丁を超えるAR-15が個人で所有されています。こういった銃は消えません。

 それに、南部の(メキシコとの)国境では麻薬カルテルが何万トンというドラッグを密輸しています。8ポンド(約3.6kg)しかない銃を密輸しないと思いますか?銃所有を禁止すれば犯罪者が銃を入手できなくなるなんて話は完全におとぎ話です。

「その場を守れる人が現れれば銃乱射は止まる」

それでは、銃乱射事件を防ぐにはどうすればいいと思う?

ダン:退職した警官や軍人、私のようなインストラクタ-、射撃の選手などに、ボランティアで学校を保護してもらうことだと思います。全員とは言いませんが、選ばれた教師を訓練して武装させてもいいかもしれません。銃を腰に差しながら授業するということではありません。安全に保管しておくんです。でも、少なくとも学校に保管しておくことです。

 「(銃器を持ち込めない)ガン・フリー・ゾーン」もやめるべきだと思う。犯罪者に犯行の場所を教えているようなものです。「ここは自己防衛できない場所」と表示する神経が理解できない。

次ページ 銃規制推進派の“偽善”