波平さんは藤井フミヤと同い年

 漫画「サザエさん」に出てくるサザエさんのお父さんである磯野波平さんは一体何歳かご存知ですか?実は54歳なのです。「サザエさん」が全国紙で連載が始まった昭和26年当時、定年は55歳でした。さらにその頃の男子の平均寿命は約60歳です。つまりあの波平さんは定年1年前のサラリーマンであり、そして定年を迎えてから5年で平均寿命に到達するというシチュエーションにいる人なわけです。

 ただし、その頃はまだ戦後間もない頃なので、平均寿命には戦争で若くして亡くなった人の影響もあったでしょう。実際には恐らく55歳時点での平均余命は、10年ぐらいはあったと思います。それでも65歳です。つまり仕事をやめてから10年ぐらいしか余生がなかったということになります。別な言い方をすれば「波平さんの老後」は10年間だったわけです。

イラスト/フクチマミ
イラスト/フクチマミ
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 ところが現在、男子の平均寿命は80.8歳です。(厚生労働省:平成27年簡易生命表より)60歳でリタイアすると老後の期間は約20年、実際には60歳時点での平均余命は23.55年ありますから83~84歳ぐらいで生きるとして老後期間は24年近くになるのです。これでは老後が長すぎて不安になるのは当たり前と言えるでしょう。
波平さんの時代の働き方を現代に置き換えて考えてみましょう。働くのをやめてから亡くなるまでの人生を10年程度とすると、80~84歳まで生きる現代人は70~74歳まで働いても別に不思議ではありません。

 ちなみに波平さんの年齢と同い年の54歳と言えば、歌手の藤井フミヤさんや俳優の風間トオルさんになります。どう見ても彼らには“波平感”はありません。要するに現代の54歳とはかくも若々しい存在なのです。では70歳の人たちは? 俳優の岸部一徳さんや高田純次さん、井上順さん等はみんな70歳です。彼らをお年寄りとか高齢者と言うのは違和感があります。彼らには老後はないのです。

 誰にでもわかりやすくイメージするためにたまたま、芸能人の名前を出しましたが、私の知人で70代でも現役で働いている人や経営をしている人たちはいずれも一様にとても若々しく見えます。彼らは元気だから働いているのではなく、働いているから元気なのです。要は、いつまでも働き続けることで「老後」は短くなるということです。そのために、楽しく働けるようにするための準備を50代から始めることがとても大切と言えるのではないでしょうか。


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過去のコメント

  • 全く同感です。当方同じ思いを若い頃から持っていて、18才で生涯計画を立てました。高卒だったので夜学で大学資格を取り、企業の経営層を経験して中小企業診断士の資格を55才に取って、サラリーマンの傍ら診断活動を続け、60才で独立し合同会社をつくりました。
    現在61才ですが、年収は現役時代より多くなりました。ちょっとやりすぎかも。
    ただ、年収だけの観点で生涯計画を立てていません。製造業のエキスパートして日本の製造業に少しでも還元していきたいのが主目的です。年収はその活動結果でもあります。
    忙しい毎日ですが、年齢よりも若いと言われます。75才までは続けるつもりです。記事を参考にさらなる生涯計画をローリングしていきます。

  • 今も現役で働いている人の意見ですね。
    私は65まで働きました。5年間は再雇用です。
    定年前から職場は私を重要な仕事には着けなくしましたので再雇用後も特別変化は有りませんでした。
    そもそも同じだと考えるほうがおかしい。
    年金生活になって、一年間はやはり情緒不安定で大変怒りっぽくなっていました。
    二年たつともう当たり前になってしまって何の問題もありません。
    暇なんで仕事してみようかなと考える程度です。
    でも、求人がありませんから思うだけです。
    年金で、贅沢をしなければ十分暮らしていけます。
    そんなに心配する必要は有りません。
    でも、体も頭もまだ大丈夫なので働ける環境にしたほうがいいように思います。

  •  んなもん自営業者としては当然のこと。いまさらどうしましょうと言ってるほうが変。これまで何も考えてこなかったことが丸わかり。
     だから自営業から見たら、いまは老後ではなく老中。

  • 65歳直前の嘱託です。どうして皆さん、最後の最後までこうも勤労意欲が強いのか正直よくわかりません。海外に行ったり、サイクリング、ゴルフや登山、ガーデニング等の体力を使う趣味は、70歳くらいまでじゃないですか。70歳過ぎて80歳を超えたら外での活動も制限されるのを多くの諸先輩をみて実感しているところです。働くこと自体が目的化していませんか。何か自己顕示欲のための仕事自慢、生涯現役アピールですか。このような御仁に限って学歴自慢・会社自慢はては息子や娘のアピールまで。やはり日本人は真面目なのだとつくづく思います。ちなみに、小生もお金の心配はないといえば嘘になりますが。

  • あらゆる観点で同意です。
    定年制度・転職市場の年齢制限も廃止すべきです。憲法の法の下の平等精神に反する気がします。長年US駐在して来ましたが、USではいずれもアウトです。

  • 働き続ければ老後では無い、という考え方に共感します。例え小遣い稼ぎでも、働く、そこから得られた報酬を自分の、家族の生活の糧(生活費や趣味の費用)として使う。良い循環だと言えるでしょう。
    私事になりますが自分の父親は定年退職後、傍系の会社で勤務しながら、ある日「引退」を宣言しました。その後、足が弱り、入院し、1年少々で人生に幕を閉じました。仕事を辞めたから体が弱って亡くなったのか、死期を悟り引退したのかは判りませんが個人的には前者と考えています。
    体の老いは確実に来ていますが働き続け体を使い続ける事で、ある程度は精神の老いや体の衰えを防ぐ事ができる様に思えます。ただ今の社会、70歳を超えてしまえば新たに就業できる職は、ほとんどありません。後期高齢者(この言い方自体、嫌いですが)でも気軽に働ける社会の環境つくりが重要と考えます。つまり個人の考え方+社会の仕組み、車の両輪の様に機能しないと、これからの高齢者社会は上手く機能せず国は、どんどん零落していくかもしれません。

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2017.3.31更新

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