心霊写真の供養を
さて、アンケートに戻りたい。
「お迎え現象」以外にも、僧侶の元に持ち込まれる「霊的な相談」は様々ある。
「あなたは過去、『霊魂』『不思議体験』に関する話を聞いたり、相談を受けたことはありますか」(設問4-1)との問いに対して、78%(558人)が「ある」と回答している。
内容は「死者の霊魂のようなものを見た」という相談が最も多く、277人の僧侶が経験している。続いて、「『偶然』『科学』では説明できない不思議現象」(177人)、「不可解な音や光に関する現象」(125人)「仏様、マリア様などの信仰の対象が現れた」(43人)、「その他(自由回答)」(63人)となっている。
自由回答の記述では、具体的な霊魂現象への報告が上げられた。
「(檀家さんの家を訪れた時)知らないおばあさんが仏壇のそばに座っていてこっちを見ていると、檀家さんの子供が言った」(高野山真言宗の僧侶)
「足のない身体を見たという報告」(真言宗豊山派の僧侶)
「戦争中に空襲にあってお子さんが亡くなったというご自宅で、怪奇現象が続く」(高野山真言宗の僧侶)
「狐が憑いたとの相談があった」(浄土宗の僧侶ほか2名)
「他者の言葉が本人から発せられた」(浄土宗の僧侶)
「亡くなられた方々の声が聞こえる」(曹洞宗の僧侶)
「事故に遭いそうになった時、亡くなった父が目の前に現れた」(浄土宗の僧侶)
自由回答の中で特に多かったのは、
「心霊写真の供養を依頼された」趣旨の回答である。アンケートで心霊写真を供養したとする僧侶は20名にも上った。
こうした霊的な相談に対し、解決法として「除霊」「鎮魂」「供養」などの宗教的儀式をしたと回答したのが413人(59%)であった(設問6-1)。
(後編に続く)
※本記事は、2018年2月22日刊行の書籍『「霊魂」を探して』(鵜飼秀徳著、KADOKAWA、1600円)より一部を再編集したものです。
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