見るからに大変そうな「フェーシング」

 OP35m盤と呼ばれる高台に着くと、1・2号機原子炉建屋が目前に迫る。OPは小名浜港工事基準面の略で、海抜と読み替えて問題ない。原子炉建屋が並ぶのはOP10m盤、その先の港湾部分はさらに低くなっていて、OP4m盤と呼ばれている。
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 1~4号機では、がれき撤去と燃料取り出し用カバーの構築を、鹿島・清水建設・竹中工務店・熊谷組・安藤ハザマJVが担当している。1号機は清水建設が、2・3号機は鹿島が、4号機は竹中工務店が主体だ。

 燃料の取り出し作業やそのための設備工事については、1・4号機を日立GEニュークリア・エナジーが、2・3号機を東芝が担当している。工事を円滑に進める上で、建設会社同士だけでなく、メーカーとの連携も欠かせない。1~4号機のうち、燃料の取り出しを終えたのはまだ4号機だけだ。

取材団は東京電力の案内で高台に向かった(写真:日本記者クラブ取材団代表撮影)
取材団は東京電力の案内で高台に向かった(写真:日本記者クラブ取材団代表撮影)

1号機原子炉建屋では、がれきの撤去に手を付けるために、クリーム色をしたカバーの解体が始まった。既にカバーの屋根は撤去済みだ(写真:日本記者クラブ取材団代表撮影)
1号機原子炉建屋では、がれきの撤去に手を付けるために、クリーム色をしたカバーの解体が始まった。既にカバーの屋根は撤去済みだ(写真:日本記者クラブ取材団代表撮影)

2号機原子炉建屋でも、燃料の取り出しに向けて上部の全面解体が決まった。重機が走行できるように、西側でヤードの整備が進んでいる(写真:日本記者クラブ取材団代表撮影)
2号機原子炉建屋でも、燃料の取り出しに向けて上部の全面解体が決まった。重機が走行できるように、西側でヤードの整備が進んでいる(写真:日本記者クラブ取材団代表撮影)
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2号機原子炉建屋では、ヤード整備後に西側に構台を設置して上部を解体する予定だ(資料:東京電力)
2号機原子炉建屋では、ヤード整備後に西側に構台を設置して上部を解体する予定だ(資料:東京電力)

 1号機原子炉建屋北側の法面では、「フェーシング」が進んでいた。フェーシングとは、敷地の放射線量を下げたり、雨水の浸透を防いだりするために、法面などをモルタルで被覆する工事を指す。発電所内のフェーシングは、1~4号機周辺を除いて2015年度中に完了予定だ。

 法面の吹き付けは、「ノズルマン」と呼ぶ作業員がホースを背負って施工する。危険と隣り合わせの作業であることはもちろん、防護服や全面マスクを着用してモルタルを均一に吹き付けるには高い技術が要る。地味ながら、最も過酷な作業の一つだろう。

1号機原子炉建屋北側の法面で進むフェーシング作業(写真:日本記者クラブ取材団代表撮影)
1号機原子炉建屋北側の法面で進むフェーシング作業(写真:日本記者クラブ取材団代表撮影)

フェーシングが済んだ法面。右手奥に3号機原子炉建屋がある(写真:日本記者クラブ取材団代表撮影)
フェーシングが済んだ法面。右手奥に3号機原子炉建屋がある(写真:日本記者クラブ取材団代表撮影)

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