本田圭佑氏は米国でもサッカーをメジャーな存在にしたいという野望を抱く(写真:HONDA ESTILO)
本田圭佑氏は米国でもサッカーをメジャーな存在にしたいという野望を抱く(写真:HONDA ESTILO)

 「それは僕自身の人間性です。抽象的な言い方になってしまうかもしれないですけど、僕という人間を深く知ってもらうことが全てです。まずはビジョン。僕は(現役選手が経営者としてサッカービジネスを展開していくという)オンリーワンのビジョンを持っている。その自分だけにしかないビジネススタイルがあって、それを成し遂げるだけの努力が絶対にできる自信が、僕のストレングス(強み)でしょうね。目標が決まってからのそこに対する努力の仕方は、いろんなプロの選手を見てきたけど、自分の右に出る人はいなかった。だから目標さえ決まってしまえば、実現の可能性を高めてみせる」

 「プロのサッカー選手というのは、当然普通の人よりストイックな部分は大なり小なりある。それはみんなが高い目標を掲げているから。ただ、まだ見たことないんですよ。サッカー選手の中でも、心底『こいつには努力で負けた』という人を。こういう人生体験、成功体験みたいなことが、プロで生きてきた自分にはある。だからこそ、この目標実現に向けて突き進むメンタリティを、ビジネスの世界でも示して、理解してもらえるようにしていきたい」

強烈な自身とその裏にある責任観

 『経営者気質』と一言で言っても、そこには当然様々な要素が隠されている。ただ、本田が持つ強烈な自信と、それと表裏一体の責任感は、間違いなく彼が経営者向きの人間である印象を後押しする。

 なぜ、本田は自らにも、そして会社に属する自分の仲間たちにも、これほどまでに『リスクを恐れず前に進む』という考えを推し進めるのか。そこには、彼のブレない人生哲学がある。

 「これまでの人生で有言実行できなかったこともある。ただ、デカい目標をこれまで掲げてきたことをまったく後悔していない」

 今回の取材でも、本田は改めて彼らしい強気な発言をしていた。

 有言実行できなかったこと。我々の頭のなかには、あの屈辱的な敗北が浮かぶ。それは、2014年ブラジルW杯。サッカー日本代表はその4年前の南アフリカ大会でベスト16に進出した。その後、徐々にサッカーの本場・欧州でプレーする日本人も増えていく中で、日本代表自身も大きな目標を掲げることになった。

 そして、本田のこの発言である。

 「誰が何と言おうと、W杯優勝を目指す」

 ベスト8以上に進出した経験もない国が、いきなり世界の頂点を狙う。世界のサッカー関係者や一般的なサッカーファンからは嘲笑された本田のスタンスだったが、彼は本気だった。しかし、結果は周知の通り、日本代表はブラジルの地で予選リーグ敗退。前回大会の成績も下回ってしまった。批判は当然、この強気な男にも向けられたのであった。

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