
今、アメリカに来る度に、本田は様々な人達とミーティングや会合を開いている。スポーツビジネスに関心を示す投資家や財界人と話を重ね、「まだ名前は明かせないけど、誰もが知っている人とも話をしている」と本田が以前語っていたこともあった。
滞在中は、アメリカ在住の経営学の教授や地元経済に精通した人間など、何人かの日本人ブレーンと行動することが多い。その中の一人が、実際に米国人たちとのミーティングでどんな話がされているかを明かしてくれた。
「一番分かりやすい例が、メジャーリーガーとの比較です。アメリカで日本人アスリートが最も活躍して、また知名度が高いのが野球です。もし、本田選手がこの国で大きなビジネスをするのであれば、それはまず『自分はイチロー選手やダルビッシュ有選手よりも価値のある存在』ということを認めてもらわなければならないのです。ただ、実際に日本での知名度や広告価値では、本田選手は彼らに勝るとも劣らない現状がある。投資家などには、彼とビジネスで手を組んだら、どれくらいのビジネス的波及力があるかということを訴えかけることが重要です」
「僕はオンリーワンのビジョンを持っている」
では、本田が武器にできるものとは、一体何なのか。日本での知名度は理解され、そこにビジネスとしての旨味があると判断されたとしても、アメリカではサッカー選手自体の価値が他の競技と相対的に見ても高くない。もっと言えば、選手としてではなくビジネスマンとしての本田の売りが、ここからは問われてくる。日本や欧州では通用する“本田圭佑”という看板以外の何かが、必要となってくる。
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