東京マラソンの制限時間をもう少し延ばせないか

 感謝すべきはスポンサー企業だけではない。この日のために1万人以上の方がボランティアとして大会を支えてくれた。沿道からは100万人以上の人が応援してくれた。コース上は交通規制を敷いていたため、都内近郊の方々には、ご不便をおかけしたこともお詫びしなければならない。

 ただ、批判を承知で提案したいことがある。それは東京マラソンの制限時間を、現状の7時間から1時間でも2時間でも延ばしてほしいということだ。目的は「ビジネス」と「スポーツ」の関係をより強化するためだ。

 仮に制限時間を9時間にできれば、スタート時間を30分ずつずらすなどして出走者を格段に増やせる。走る人が増えれば、マラソンに興味を持つ人が広がり、スポンサーも確実に増えるだろう。その結果、300億円とも言われる東京マラソンの経済波及効果はもっと大きくなるのは間違いない。スポーツとビジネスがお互いの強みを引き出す、良い循環をより大きく回すためには制限時間の延長が最も効果的だと思う。

 国内トップ大会である東京マラソンの拡大は、日本におけるランニング文化の定着にも寄与するはずだ。それは国民全体の健康増進にもつながることだ。

 「お金を払ってまで苦しむ(=走る)なんて理解できない」という人もいるだろう。私も2年前に走り始めるまでは全く同じ考えを持っていた。そういう人には、騙されたと思って一度走ってみてもらいたい。

 天下の公道の真ん中を走る快感、数万人からの絶え間ない声援、そして42.195kmを走り終えた達成感、あるいはランニングを通じて知り合った人々との交流…人それぞれ価値観は異なるけれど、きっと走るメリットを感じてもらえるはずだ。この日私が図らずも証明したように、ほとんど歩いていても、6時間ぐらいでフルマラソンは完走できてしまうのだ。

 最後に、途中で助けていただいた女性にもう一度お礼を申し上げたい。あなたのおかげで、私は東京マラソンを完走できました。よっぽどの幸運に恵まれない限り、再びお目にかかることはないでしょう。直接お礼することはできませんが、私もあなたと同じように困っている人を助けます。そして、2人の娘を、見ず知らずの人にも親切にできる人間に育てます。それが今の私にできることです。

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