杉田:もともと九州の人だからかもしれないんですけど、そういうふうに「死」というものを怖がったり、背を向けたりしないで、それとお互いに向き合いましょう。そのために2人で一緒にエンディングノートを書きましょう、とか。

 向き合うことを恐れてはいけない。死というのはみんなに平等に来ることだから、もちろん、お母さんにも私にも来ることだから。「だいたい、お母さんも80歳を超えてまだ生きているなんて、あんな不摂生をして、たばこ100本を1日に吸って、それでお酒をあれだけ飲んでいたのに、これだけ元気でいられるというのはすごいことなんだよ」と言って。

不躾ですが、生きて行くにはお金もかかりますよね。

杉田:お金も、本当にお互いにいつも貯金がないみたいな状況でずっと来ているのですけれど「お母さんは病気だから、施設にもお金があっても入れないしね」とか、「生命保険にも入っていないから、死んでも何もならないし、私はどうすればいいかしら」と言うから、借金のない年寄りというだけでもすごいことなのよと言って。しかもお金を持っていないから誰にもだまされないでしょう。オレオレ詐欺にも引っ掛からないんだよと(笑)。逆に、よかったんじゃないとか言って、励ますわけじゃないけど、悲観的にならないようにしてますね。

 だって、どうしてもやっぱり悲しいことの方がどんどん積もってきちゃうから、なるべく楽しいことを思い出したりとか。今日も「LA LA LAND」のDVDを買ってきたんですけど。

 母とミュージカルでも見て。母の好きだったジャズ、ジョン・コルトレーンとかも買ってきたりして。自分が充実していた時代の音楽を聴かせたりすると、明るい気持ちがよみがえってきたりするかな、とか。実験みたいな感じなんですけど(笑)。

母さんの朝ご飯は、おいしくなかったけど…

松浦:そうか、頭がしっかりしていると、そういう接し方ができるんですね。それがもう認知症だと一つ一つできなくなっていくので、そこが辛い。

杉田:でも松浦さん、うちの母の場合は、最初から家事も何もしないじゃないですか。

松浦:いや、どう答えていいものか。

杉田:昔、元気だったときに、朝ご飯をたまに作ってくれたこともありますが、たまにしか作らないからおいしくないんですよ。しかも朝まですごくお酒を飲んで、二日酔いで作るから、全然味になっていない。仕方なくまずそうに食べると、すごく怒って、それをそのまま捨てちゃったりする。

うひゃあ。