杉田:そういうことになると、家族と看護師さんだけしか面倒を見ることができないわけです。お風呂に入れるのも私と看護師さんでということで。手がどうしても足りなくなる。もうちょっと、医療と介護の間に落ちる部分に優しくして欲しい、とは思います。

 母がこの状況を見て、つらいと思わせることがつらいので、なるべく楽しんでいるようにしているんですけどね…実は、うちの主人がすごく楽天的な人で、冗談ばかり言っているものですから、そっちですごく気が紛れているのでもっているかなと思うんですけど、もし普通に母と2人だけだったら、もうちょっと本当にすごく厳しい状況であるなという。

 ちょうど、母が倒れた直前に主人と出会ったんですよ。母が、直感だったのかな、「この人と結婚しなさい」って、「この人だったら」と思ったみたいですけれど、もちろん2人だけよりずっと3人のほうがいいんですけれど、やっぱり今、厳しい状況ではあるんですね。

松浦:お母様は、肺以外は健常なのですか。

杉田:母は肺の機能だけがだめで、あとはご飯も食べられるし、本も読めるし。まあ、年を取ってきているので、しゃべるのとか耳とかも遠くはなってきているんですけど、意識がはっきりしている分、何かつらいものも見たりするのかなと。

 年齢も年齢で、お医者さんからは「手術はできない」と言われてまして、免疫も低下しているので風邪を引かせちゃいけないというのもあります。気分が変わるので、人になるべく会わせるようにはしているんですけど、風邪やインフルエンザの時期とかはものすごく神経を使います。体温調節とかに気を配るのも大変です。

グレーゾーンは家族がカバーせざるを得ない

松浦:たしかに、医療と介護がうまく連携していないと、こういうケースは大変ですね。

杉田:医療と介護が、法律的にも別であることの弊害もあるんですけど、では「一緒にしちゃいましょう」と言ったときにも別の問題が出るのでしょうね。介護保険がすごく進んだことで、母みたいに「1級障害だけど介護度が少ない」場合とかは、入院しても看護師さんが慣れていないとか、ヘルパーさんがどういうふうに接していいかとか、いろいろトラブルが起きそうです。

 とはいえ、「ここまでは介護保険の範囲だけど、ここからは医療保険の範囲です」みたいな区切りにはどうしても合間が生まれがちで、「そこは家族で埋めてください」みたいなことになっているわけで。

松浦:なるほど。うちの母は基本的に体が丈夫だったんです。ですから、認知症から来る介護認定だけでだいたい見ることができました。特に病気がなかったので、介護保険の範囲内で見ることができたということですね。そこのところは母に感謝ですね。