個人的なことを話すと、みんなの知恵が集まってくる

松浦:その意味では私たちの本は社会的な……どう言えばいいのでしょうか、いわゆる「女性のおしゃべり」、井戸端会議的な機能を社会的に実装した、ようなもの?

スー:そうかもしれません。自分の話だけしかしてないですから、お互いに。つまり、完全に一方通行な雑談をしているのと同じですもんね。

 だからこそ、「超個人的なことを詳らか(つまびらか)にする」ってすごく大事なんだと思います。松浦さんのご著書も拙著も読者の方がご自身の感想を送ってくださるのは、「こちらが胸襟を開けば向こうも開いてくる」証左ですし、胸襟を開き合った先には、今日を乗り越える生活の知恵が見えてくるんだと思います。

 最初におっしゃっていた、四方山話から生活の知恵が共有されていくお話ですね。これ、スーさんのラジオ番組(『ジェーン・スー 生活は踊る』)そのもののような。

スー:『母さん、ごめん。』には、お母さまが(使用後の)大人用おむつを台所に置いておく。翌朝、その臭いがなかなかきつい、というエピソードがありました。読んだときに、この手の相談をする相手はなかなかいらっしゃらないだろうなと思いました。仮に、仲のいい友達がいたとしても、それこそ「うちの彼氏がさ」「うちの夫がさ」といった話ができる、何でも話せる女友達がいたとしても、親の介護の話を共有するのは、そこからもう1つハードルが高いことだと。

 だからこそ、情報を共有しないとどうにもならんというか。みんなの英知が集まってこないと解決できないと思うんです。

 たまたま私は……実際に役に立つか分からないので差し出がましい話ですが、この場面を読んだときに、ラジオ番組の生活情報で、「おむつのにおいが絶対に漏れないビニール袋」を紹介したのを思い出したんです。ああ、松浦さんのことをもっと前に知っていたら絶対「これ、使ってみたらどうでしょう」と言えたのに、と思って。

松浦:それは知りませんでした。

スー:たしか、夏の生ごみ対策の話の中で出てきたんです。いろいろなビニール袋に生ごみを入れて、どれが臭い、臭くないとレポートするコーナーをやりまして(笑)。

 やっぱり場が必要ですよね。今回は松浦さんも私も書いた本が場になったというか、みんなが接続できる、いい感じのハブになったのかなと。

松浦:それはそうですね。

 読者さんの投稿が本当にすごく熱いんですよ。

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