スー:いままでは、会社にいることが誠意と思われてしまう時代でしたものね。
松浦:そうそう。
スー:そこを変えていかないと、もう物理的に無理です。介護は当然、妻が手伝ってくれると考える人もいるかと思いますが、実際には難しいかもしれません。
松浦:すくなくとも、相談もしないうちから「介護の戦力」と奥さんをカウントするのは危険でしょう。
スー:そうですよね。松浦さんの本を読んで「これが介護だ」と知ってほしい。自分の妻に一手に引き受けさせていいのか? と。
読者の皆さんからの、コメント欄とか、はがきの熱量と数がすごいんです。特に女性からは、「先に夫に読ませておかないと」とか、「夫の親の介護で大変でした」みたいな方からすごくたくさんいただきます。
スー:そうなんですね。
生活情報に上手にリーチできることが、身近な人や自分のクオリティー・オブ・ライフを左右するとさきほど言いましたが、そこが分かってないと、たぶん、介護が文字通り「人ごと」になっちゃうんだろうなと思います。手を出したくても出せない。やり方を知らないから。
私は末期がんの親の介護しかしてないので認知症の介護とはまた異なりますが、松浦さんも前におっしゃった通り、介護や看病にって、生きるパワーが吸い取られていくんですよね。それは身に染みて理解しています。
松浦:あります。通常の仕事とはそこが違う。
スー:あの負荷は、やっぱり1人だけではなかなか難しいものがあると思うんですけど、家族がいる人でも、その家族が「いや、それは俺の仕事じゃないし」という感じになっちゃうと……ちょっときついだろうなと。
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