月曜日から水曜日までは午前9時から午後5時までのデイサービス、金曜日は午前中半日のリハビリテーション型のデイサービス、それぞれ朝はヘルパーさんの送り出しが付く。木曜日と土曜日はヘルパーさんが来て母に昼食を作ってくれる。

 一見、かなり楽になったかに見える。が、その一方で前々回(「認知症で過食の母、『空腹だ』と台所を荒らす」)書いたように、過食が出たり、排泄の失敗が増えたりしているので、私としては負担が劇的に減った、とは感じなかった。「なんとか介護を続けていける程度にはなった」という感触だった。

 そんな中、2つの健康問題が発生した。
 まず虫歯だ。

 2015年4月に転倒して上前歯のブリッジを飛ばして歯を治療したが、1年経つので治療部位のチェックと検診を兼ねて歯科医院に連れて行ったところ、奥歯に大きな虫歯が発見された。あまりに虫歯がひどく、歯周病も進行していたので、結局その歯は抜かねばならなかった。

 「歯にかなり歯垢が付いています。歯磨きが不充分ですね」と、歯科医からは言われた。
 歯磨きをする母を観察してみたところ、ささっと磨いて短時間でおしまいにしていた。どうも、歯を磨くことがおっくうになっているらしい。

 日本歯科医師会は、「80歳になっても自分の歯を20本以上維持しよう」という8020運動というキャンペーンを展開している。母は、この基準をクリアしているが、願わくば人生の最後まで自分の歯で楽しく食事をしてもらいたい。

 歯を失う一番大きな理由は虫歯、そして歯周病だ。ともに口内の細菌が作り出す歯垢(プラーク)によって発症し、悪化する。入念な歯磨きでプラークを毎日除去することが、歯の健康を保つ第一歩となる。

 とはいえ、子供にするように、母に口を開けさせ、私が磨くというわけにもいかない。ヘルパーさんたちとも話し合い、歯磨きの時に、毎回ひとこと「手を抜かずにきちんと磨きましょう」と声をかけるようにした。この声かけが効いたのかどうかは分からないが、とりあえずその後の虫歯の発生は防ぐことができた。

濃い味文化圏と血圧管理の軋轢

 もう一つは血圧だった。

 デイサービスでは、毎回血圧を測定してくれるのだが、それがやや高めに推移するようになったのだ。デイサービスのほうからは「主治医のお医者さんに相談してください」と言われた。

 H医師に相談すると、まずは「昔から高血圧の持病があるというわけではないんですよね」と確認された。

「そうです。若い時はむしろ低血圧気味でした」
「ウチに来たときに計って貰っている血圧も、まあ高めだけれど、高い時と低い時があるね」

 とH医師はカルテを確認する。