デイサービス施設は多種多様で、施設別に様々な特徴を持っている。本人に合った施設を選ばないと「嫌だっ、行かない!」となってしまう。母の性格を考えると、あれこれ強制することなく、柔らかく接してくれる施設を探す必要があった。

 実は、このタイミングで妹が一時帰国した理由の一つは、母を通わせるデイサービス施設の選定があった。帰国中、妹はケアマネージャーのTさんと相談して、あちこちのデイサービス施設の見学に行った。

 そして、ひとつ、妹が「ここなら母を通わせても大丈夫だ」と感じた施設があった。

 住宅街の一般家屋を使った少人数を対象としたデイサービス施設で、家にいるのと同じように過ごすことができる。見学時点では定員が一杯で空きがなかったのだが、私の帰国直後に月曜日の通所に空きができたという連絡が入り、6月末から母は、リハビリのデイサービスに加えて通常のデイサービスにも通うことになった。

 リハビリは昼間での半日だが、通常のデイサービスは午前9時半から午後4時半までの7時間。送り迎えの時間も考慮すると実質8時間だ。

 このデイサービス通所が決まって、私がどれだけほっとしたことか。介護経験のある方なら理解してくれるだろう。昼も夜も常に注意していなければならなかったのが、週に1日、昼間、全面的に開放されるのだ。

母、ぐずる

 通所開始に伴ってケアマネージャーTさんが、大幅に組み直した介護計画を作成した。母がヘルパーさんを受け入れてくれたので、その他の曜日も、何日かは、ヘルパーさんが昼に入って食事を作ってくれるようになる。つまりその日は私は昼から夜にかけての外出が可能になる。

 デイサービスはまず「お試し」といって短時間の利用で、本人がなじめるかどうかの様子を見る。大丈夫と判断できたら、次の週からの利用が始まる。母のお試しデイサービスは6月25日に決まった。

 この日のためにケアマネTさんと相談し、入念な準備をした。送り出しのために、朝はヘルパーのKさんに来てもらった。Kさんが「おはよーございまーす」と高らかにあいさつして、「さあ松浦さん、今日はお出かけですよ。お着替えしましょう」声を掛ける。私の言うことは聞かない母でも、行こうかという気分になるだろう、という作戦である。

 しかし母はぐずった。
 Kさんが来てもなおも「行きたくない」と言い張った。