母の転倒をきっかけに弟は「兄貴、すべてを自分で抱え込むんじゃない」と猛然と動き始めた。そして「なんでこんなことに気が付かなかったんだ」とぶつくさいいながらも、あまりのストレスに狂いかけていた私に代わって、公的介護導入に向けた手続きを行ってくれたのである。

介護、悩む前にまず地域包括支援センター

 現在の介護保険制度は、65歳以上の老人、または40~64歳の加齢が原因となる特定疾病(骨粗鬆症や認知症など16種類)の患者が利用できることになっている。

 介護保険制度は市区町村が担当している。利用するには、まず介護認定の申請を医師の意見書(基本的には主治医が書く)と共に市区町村に届け出る。すると聞き取り調査があり、対象者を「要支援1」「要支援2」そして「要介護1」から「要介護5」の合計7段階に分類する。この分類が公的組織が「あなたはこの段階の介護を受けられますよ」と判断した「介護認定」だ。それぞれの介護認定によって、受けられるサービス、その対価が変わってくる。

 介護認定にあたっては、地域によっては名称がすこし違うのだが「地域包括センター」「地域包括支援センター」という組織が、整備されている。検索をかければ、おそらくどなたの家でもそれほど遠くないところに地域包括支援センターがあることに気付くだろう。

 地域包括支援センターは、市区町村との契約で民間が運営している。だから住民は介護に関することをなんでも無料で相談し、どのような手続きをすればいいかを教えてもらえる。また、一部の手続きは代行してくれる。地域包括支援センターには介護サービスに関する情報が集まっているので、自分の居住地域でどんなサービスがあるかもすぐに分かる。

 介護の現実にぶつかったら、まずなによりも最初に行うべきは近所の地域包括支援センターに相談することなのである。

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