ブレーキなしのトロッコに乗ってはいけない

川内:分かっちゃいるけどできないことがあるだろうし、なにか提案があっても最初から言わずに、「日々大変なところはどういうところなの」と、まず本人の話を聞きましょうよと。聞いてみて、主に介護をしている人ではどうもならない、と思ったら、本人に言わずに、包括(地域包括支援センター、介護支援の“駆け込み寺”)にまず1回相談しにいってもいい。

Y:いいんですか。

川内:はい。本人に言うことがすべてではありません。1回、包括に相談をして、介護問題を抱え込みがちな人に対して、離れている自分はどうかかわったらいいでしょうね、と相談する。そういうステップとしてあるんですよ。介護者本人が、もう人に相談をするパワーを持ってない状況なわけで、周囲からそれが見えたら、離れているからこそ出せるパワーを発揮して、そこで支援しましょうよと。

松浦:あ、人に相談するということ自体が、余裕があるということなんですね。

川内:そうなんです。

松浦:余裕がないとできない。

川内:パワーがないとできないからですね。

Y:松浦さんの本を読んで、最大の驚きがそれだったかもしれません。相談する余裕がなくなっちゃう。

松浦:なくなっちゃうというか、そちらに気が回らなくなる。

Y:相談をするという気付きがないまま介護という状況に突入してしまえば、もう何かのよほどの幸運がない限りそのままいってしまう……。

松浦:ブレーキなしトロッコの下り坂みたいな、そんな感じですよ。

Y:恐ろしい……。

(次回に続きます)