頭では理解できても、特に男性には難しい?

川内:でも、それって本当に冷静じゃないと「何に手こずっていて、どうしてあげればいいのか」を判断するのは難しい。言い方は本当に申し訳ないですけど、介護者側が「この人は自分の母である」という認識があることで、むしろ難しくなる瞬間があるわけです。

 我々の場合は、「この方はすごく立派な、大手の企業にお勤めでいらっしゃる方だったんだけれども、今はご病気になられて、でも、ここさえサポートできたら排泄はまだできるはずだ」、と、例えばドラマチックに思っていたりするわけなんです。

 だけど同じ状況をご家族が見られたら「あんなにしっかりしていた人なのに、こんなところまで手伝わなきゃいけないなんて」となって。しかも、家族だから何でも言えちゃう。実際にがんがん言ってしまう、そして、それが辛さを増幅してしまうんです。

松浦:それはその通りですね。自分の親だから、まず気安さがあるし、それからわりとストレートに感情が行き来しているんですね。そうすると、お互いに怒りだしちゃって、もうどうしようもなくなる。

川内:いや、もう本当にそう思います。

松浦:もちろん、頭では理解しているんですよ。そこを切り離して自分も対応しなくちゃいけないというのは分かっているんだけれども、なかなかできないんです。

川内:そこには、男性の場合、特に大きな壁というか、理由があるんです。

(次回に続きます)