ヤマトに大切にしてほしい「信頼」「挑戦」「人」
ヤマトに大切にしてほしい「信頼」「挑戦」「人」

佐川、郵政などライバルとの争いに負けるな

最後に、都築さんから見て、今後、ヤマト運輸、ヤマトホールディングスが大事にすべきものは何でしょうか。

都築:繰り返しになりますが、まずは「信頼」です。今回の件で、ヤマト運輸は大きく顧客の信頼を損ねてしまいました。だからもう一度、信頼を構築しないといけません。今や郵便局だって、サービス品質を上げて来ています。かつての郵便小包と宅急便のような明確な差はないのです。佐川急便さんも上場を準備していると聞きました。こうしたライバルがいることも意識しながら、ヤマトの品質も上げていかないといけないと思います。

 二つ目は「挑戦」です。宅急便は郵便小包という独占事業への挑戦でした。また宅急便だけでなく、ヤマト運輸はこれまでも、いろいろな事業に挑戦してきました。出遅れたこともありましたが、挑戦してきたから100年の歴史を築いてきた。逆に今回、こういう事件が起きたから、この機を生かしてほしいですね。

 好景気で会社の調子がいいときというのは、実は経営者にとっては、やりにくいことも多いのです。でも今は、会社として見直すときですから、無駄を省いたり、新しいサービスを考えることが大事です。せっかくヤマトには歴史があるのですから、歴史から学んだり、経営者も勉強して出直し、挑戦するときだと思いますね。

 そして忘れてならないのは「人」ですね。信頼を得るのもお客さんに接する「人」で、会社の挑戦を実際に形にするのも「人」ですから。最前線にいるドライバーをはじめ、人を育て、大切にする会社になってほしいと思います。僕自身はもうヤマト運輸を離れていますが、ヤマトの事業の社会的意義は大きいし、後輩たちには期待しているんです。

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