3年以内に新しい情報システムを導入したい

これまでは、それぞれの営業拠点に経営を任せていくのが、ヤマトの強みの一つだったと思うのですが、今後は本部の管理をより強めるということでしょうか。

長尾:いや、本社が全部手取り足取りやれるかというと、それは少し違うと思っています。ただ、可視化は必要かもしれません。

 大事なことは、各拠点のマネージャーたちによる経営に対して、本社がしっかりアシストすることです。(現場の経営状況を)見ないことが一番よくないので、きちんと見られる仕組みを作らなければなりません。

 情報システムをきちんと使える武器として導入していくのは、本社の仕事です。今いろいろな新しい技術も見えてきています。

 例えば、当社の社員のシフト表を作るのは大変なんです。しかも、物量の予測を読み間違えると、作ったシフト表も全然意味がなくなってしまう。日々の物量の予測を精緻化することも必要だし、それに対してどうやって多様な人たちを上手に配置していくか。その最適解が出せるような仕組みを作っていきたいと思います。糸口は見えてきているので、早い段階で導入しなければいけません。

いつ頃からどれくらいの規模で導入しますか。

長尾:今期中にいろいろな地域でテストをやって、来期には全国展開、というような簡単な話はたぶんないなと思っています。3年以内には全社的に導入できるような仕組みにはしたいですね。

物量の予測を精緻化する上でも、契約によって総量を抑制するというのは重要になりますね。

長尾:重要ですね。ただ、今の既存の宅急便ネットワークだけで完結できないものに関しては、やはり地域によっては新しいネットワークが必要になるかもしれません。

 ネット通販の荷物の配達に関して、宅急便のフルサービスが必要かというと、必ずしもそうではないかもしれません。例えば、ロッカーに荷物を納品して回ったり、コンビニエンスストアに納品したりするのも、今はセールスドライバーが日々の業務の中でやっているわけです。しかし、こうした配達は、ある程度、既存の宅急便ネットワークから分離できる可能性があります。

宅急便のように荷物の集荷もやるのではなく、荷物を配達することに徹するネットワークを作るということですか。

長尾:そうですね。そういうことは、都市部では十分可能性があると思います。そこにプラスアルファをして、さらに違う届け方も出てくるかもしれません。かなり限定的なサービスになるかもしれませんが、宅急便のフルサービスとは一線を画すニーズもあるでしょう。

次ページ ネット通販の自前配達ネットワークは続くのか