人件費と下払い費が一番重要なKPI

どのようなKPI(重要業績評価指標)を重視して、経営をしていますか。いくつかの経営指標を見ると、売上高に占める下払い費率(外部の会社や個人に宅配事業の作業を委託する費用など)が伸び続けていて、2017年3月期に4割を超えています。その一方で、人件費比率は安定しているようです。

長尾:当社のような業態の場合は、やはり人件費が一番大きいですからね。この人的なコストをどう適正にするかというのが、一番経営の肝ではあります。つまり、人件費と下払いの2つが当社の経営の推移を見ていく中では一番大きなKPIであることは間違いありません。

経営の中でそれらの指標は、どれぐらいが適正値なのでしょうか。

長尾:大事なことはオペレーションの中で適切な戦力配置になることです。まずボリュームの予測を立てて、そこに対して適正な戦力配置をしないと基本的にはいいサービスになっていかないわけですよね。

 我々は1日や年間でべたっと需要があるわけではありません。年間でもやっぱり需要が高い時期、低い時期、1日の中でも需要が高い時間、低い時間がありますから、ここの中でどう適切に(要員を)上げ下げをしていけるかというのが、一番大きな問題であります。

 結果的にそれが、いいサービスをご提供できるかどうかの分かれ道になると思っています。1日の中でニーズの山谷があるんですけれども、べたっと備えざるを得ないような状況になってくると、たぶんロスもたくさん出てきます。逆に言うと高い山がさばけないということは、そこは社員にとって負荷になっているわけです。

 ただ、負荷になっても結局、前後に分散するしかないんです。前後に分散して、時間を延ばして対処するしかありません。しかし、お客さんのニーズは、前後に分散させると逃げてしまいます。そこの象徴が不在になって表れるという話だと思っています。

データを見ていて、2016年3月期に荷物が1億個以上増えている一方、宅配事業における従業員の人数が減っていることが気になりました。なぜでしょうか。

長尾:いや、増やさなかったということはないです。やはり増やそうとしても増やせない状況というのはあります。今も、フルタイムの社員は安定的に補充もしてきているし、採りづらい環境にはあるけれども、ある程度着実に入社はしてきていますよね。

 ただ、一番難しいのは、パートタイムの社員です。パートタイムの社員の人数が、どうしても想定をしている人数にはなかなか届いてないというのは現状あります。

年間で1億個も荷物が増えて人が増えなかったら、現場は対応しきれるのかと疑問を抱くのですが、そこはどう受け止めていたのですか。

長尾:実際の現場のオペレーションの戦力って、実際に社員として雇用契約を結んでいる社員だけではなくて、アルバイトや派遣社員などの戦力も使いながらオペレーションをやってきているので、そこの比率が高まってきているというのはあります。

 だからその分、コストは上がります。コストは上がるし、当然ながらずっと継続している社員よりもスキルが高くない。ということは、コスト効率というのは悪くなるということだと思っています。

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