昨年夏に現場の負担が顕著に増大

経営陣として現場の窮状を認識したのはいつ頃ですか。

山内:第一線の状況は、労使で常に確認をしながら経営に当たっています。例えば、労働環境についても、労働時間をどのように短縮していこうかという話も、労使で協力して進めてきました。

 今回、(未払い残業代の)一時金をお支払いするという形になりましたけれども、先ほどお話したように、想定とのズレが大きくなり、結果的に負担が重くなってきた状況が顕著になったのは、昨年の夏頃です。人が急激に採用できなくなり、体制が追いつかなくなりました。

昨年夏までの現場の状況は、どのように捉えていたのでしょうか。

山内:1年半ぐらい前であれば、ある程度想定通りパートの方々を地域ごとに採用することができていました。しかし、昨年の夏あたりから、募集してもなかなか採用できなくなりました。

記者会見では、「気づくのが遅れた」という趣旨の発言をしていました。もっと前に気付けたかもしれないという反省があったのでしょうか。

山内:気付けたかもしれないというか、急激に変化してきたので、そこに対しては手を打たなければいけないと動いていたわけです。しかし、やはり変化のスピードが非常に速かったというのはありますよね。それが、見通しが甘かったのかと言われれば、今からいえばその通りという話になるのでしょうが。

宅配現場からは、2013年頃から荷物が急増し、かなり大変だったという声が聞こえてきます。

山内:何と言いますか、数量が増えてきていたことは間違いないですし、それによって不在率や夜間の配達の比率が増えてきたことも、確かだと思います。実態として、ネット通販の荷物が増え始めてからというのは、あろうかと思います。けれども、体制の確保が追いつかずに無理が来たというのは、この1年弱のことです。

宅急便の不在率というのは、どのように把握していたのでしょうか。

山内:不在率というのは、数字として正確には見える形にはなってはいませんでした。都市部を中心に不在率が高まっていると認識し始めたのは、ネット通販が増え始めて、その伸びがやはり大きくなってきた頃からです。ただ、(不在率を数字として詳しく把握し始めたのは)やはりここ2年ぐらいからです。特に当日配達などがどんどん利用されるに従って、その比率が上がってくるという認識がありました。