間違いなく生産性は上がってきている

未払い残業代の支払いや、従業員を増やす施策を発表していますが、対策が遅れた背景には、宅配の現場は生産性が向上していると見ていたからではないでしょうか。

山内:宅急便の扱い量の推移を見れば分かるように、それに合わせて我々も様々な施策を実施し、生産性を上げてきました。そうした取り組みがあったからこそ、扱い量がここまで増え、体制もこれまで維持してこられたのだと思います。

 生産性は間違いなく上がってきています。セールスドライバー1人当たり、1時間当たりの取扱個数を見ても、それは分かります。生産性の向上は、フルタイムのセールスドライバーでやれる部分もあれば、パートの方々に入ってもらうことでできる部分など、様々な工夫がそこにはあったと思います。

生産性の向上が、サービス残業によって支えられていたということはありませんか。

山内:生産性の計算は、作業をしているとして認識された時間と、扱った荷物の数量から割り出します。我々は、携帯端末で作業を管理しておりますので、そこで労働時間として把握できていなかった部分があれば、当然、割り算の結果としては生産性は高まってしまうという事態が起きてしまったのだと思います。こうしたズレを認識できていなかった部分があったので、今回の働き方改革を通じて、正しい形に戻してきます。

人員の採用計画に一貫性が見られない

これまでの採用人数の推移を振り返ると、増員計画に一貫性がないようにも見えます。

山内:確かに年度によって、採用人数が多かったり少なかったりしていますが、荷物が伸びるだろうと思って人を増やしたところ、そんなに荷物が伸びなかったというような場合もあります。また、先ほどお話ししたチーム集配を導入したことによって、生産性が上がったということもあります。そうした結果、採用人数を少なく抑えられた年度もあるわけです。

2016年3月期には宅配事業の従業員が減っています。これはどうしてですか。

山内:増やす計画をしていても、想定通りの採用ができない場合もあります。意図的に抑えようとしたのではなく、結果としてそうなってしまうわけです。その分、荷物が増えた部分については、外部委託のパートナーの方々に協力していただくなどして対応するということです。

社員の給料やパートの時給を上げることで、必要な人員を確保することはできないのでしょうか。

山内:それだけでは、たぶんできないと思います。例えば、時給を3倍、4倍にできるのなら、それを望む方は大勢いらっしゃるでしょう。しかし、我々は働く時間帯を午前中や夜間などに分け、仕事の内容を細かく規定しています。そうしたそれぞれの条件に合致した人が、エリアによっては集まりにくいこともあります。それによって、採用人数にどうしても濃淡が出るわけです。