社会インフラとして日常生活を支える鉄道事業。ここに魅力を感じる学生は多く、人気業種になっている。中でも最大手のJR東日本は志望者も多く、激戦の一つだ。採用について人事部 ダイバーシティ推進グループの中野有香氏に聞いた。
2016年卒の採用数と選考プロセスを教えてください。
中野:採用はポテンシャル採用(総合職)とプロフェッショナル採用の2種類に分かれています。ポテンシャル採用は87人、プロフェッショナル採用は1254人に内定を出しました。2017年卒の採用数は未定です。採用プロセスは、エントリーシート(ES)とウェブテストに加え、面接を3~4回行います。エントリーシートの応募数は非公開ですが、1万件は超えています。

選考では鉄道の知識があるほうが有利ですか。
中野:誤解されがちなのですが、鉄道の知識はなくても大丈夫です。入社してからしっかり研修しますので。それよりも、自分の学業や部外の活動を通じていろんなものを吸収して、「論理的に考えられる」力を身に付けてもらいたいですね。
また、学生時代と社員になってからと大きく違うのは、利用客でなくなってしまうということです。社員となると利用客の視点ではなくなって、提供する側で物事を見てしまうようになります。今からユーザーの視点で駅や駅の設備について問題や課題がないかどうかを見てほしい。その上でJR東日本を自分の中に落とし込んでほしい。気づきや、駅ってこうなるといいなという考えは社員になると発想するのがなかなか難しいので、学生の時にぜひ見てほしいです。
学生からよく聞かれる質問はありますか。
中野:安全安定の輸送サービスや、地域に根差したサービスの内容や考え方など変わらぬところが聞かれる一方で、最近では「グローバル化」というキーワードでも質問を受けることがあります。これまではあまり関係がなかったのですが、最近は経営の第4の柱として、車両製造事業に取り組んでいます。グローバル展開も大きく関係ありますね。
英語力が必要かという問い合わせも増えてきました。「TOEICが何点以上が必要か」などと聞かれますが、なくても採用には関係ありません。それよりも、鉄道事業はグループで完結してしまうことも多く、外が見えにくい傾向があります。だからこそオープンマインドの心とか、挑戦する気持ちを、ベースに持ってもらえるといいなと思います。
女性に関する質問も出ますか。
中野:出ます。現在、新卒採用の3割が女性なのですが、学生さんからは「女性が働きやすい職場なのか」とよく聞かれます。人によるので何とも言えませんが、「残業が多いですか」「結婚しても続けられますか」とか聞かれることも増えていますね。
残業は部署や繁閑によっても変わります。結婚して続けている方ももちろんいます。転勤はありますかとかも聞かれますが、当然ありますと答えています。
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