今や海外でも高い知名度の「無印良品」を運営する良品計画。店舗や製品のイメージは簡素でナチュラルだが、そのブランドイメージを守っていくための仕事は生易しいものではない。心の強さとチームへの気配りを併せ持った人物が必要だ。

「MUJI」ブランドは海外でも浸透している(米国・ニューヨークの店舗)
「MUJI」ブランドは海外でも浸透している(米国・ニューヨークの店舗)

まず、採用の基本的な流れを教えてください。

川村:ウェブを通じた簡単なエントリーシートを提出してもらいます。その後、応募者は1日かけてセミナーに参加します。事業内容などを説明するほか、自分が店長だったらどうやって店舗運営するか、といったシミュレーション作業もあります。

 例えば、商品のレイアウトをどうするか。店舗メンバーの属性や勤務条件などに応じて、誰をどの売り場に配し、レジなどには誰を回せばよいかを考えてもらいます。ここでどういう考え方をするのか、人柄などが垣間見えます。

グループディスカッションもあると聞きました。

川村:セミナーを経て、ウェブテスト、そして正式なエントリーシートを出してもらう流れです。エントリーシートの内容は志望動機、これまでどんな経験をしてきたか、対人関係で大切にしていること、を記入してもらいます。次いでグループディスカッション(GD)です。

 GDは毎年お題が変わります。例えば2016年卒採用の場合、架空の会社の経営者としてどんな判断を下すか、といった議論をしてもらいました。様々なデータを踏まえて、どういった経営方針をとるべきか。メリットとデメリットを踏まえて話し合ってもらいました。

 その際の注目点は、事実に基づいて適切に判断できるか、データを分析できているか、チームのメンバーに自分の考えをきちんと伝えられているか、影響力を発揮できているかなどです。協調性など対人能力も大事で、主張すべきは主張しつつ、自分の意見を適切に相手に伝える能力があるのかどうか、といった点も見ています。その後、面接に移ります。

学業で何を学んだかも聞かせて

面接はどのような感じでしょうか。

川村:これまでやってきたことの内容として、サークルやバイト、海外旅行、留学などを語る人がとにかく多いですね。特に文系の人が多い印象です。ただ、本業の勉強はどうだったのか、どんなことをしたのか、そういったことをもっと聞かせてほしいと感じています。そのうえでそれが会社でどう生かせるのか、アピールしてくれれば印象に残るかもしれません。

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