
ユニクロを展開するファーストリテイリングは、海外の法人や店舗で活躍できる「グローバル人材」の採用に2016年から本腰を入れ始めた。その第1弾として2月に実施したのが、日本の学生を対象にした海外インターンシップだ。実施場所はシンガポール、ロンドン、メルボルン、上海、台北の5都市で、合計73人の大学生・大学院生が参加した。
海外インターンシップの内容は豪華そのもので、同社の意気込みを示すようだ。物心両面で学生に手厚い内容となっていた。たとえばシンガポールでの全8日間のプログラムは以下のようなものだった。
■2月18日:現地CEO=最高経営責任者や営業責任者、マーケティング責任者、人事・教育責任者、スーパースター店長との経営課題の討論、成果発表する新規サービスや新規事業のテーマ決め
■2月19日:ユニクロ・サンテックシティ店での店舗研修および店長との質疑応答、新店開発責任者、商品開発責任者との議論
■2月20日:競合店などの市場調査、中西一統人事部長との質疑応答
■2月21日:ユニクロ・ブギスプラス店での店長との質疑応答、店舗従業員や顧客への聞き取り調査、RGF(リクルートシンガポール法人)でのレクチャー
■2月22日:シンガポールマネージメント大学での大学生への聞き取り、三井住友銀行シンガポール支店でのレクチャー
■2月23日:成果発表(新規サービスや新規事業に関するプレゼンテーション)
■2月24日:帰国
豪華さが端的に表れていたのは、学生に会わせた人材の多様さ。現地トップからマーケティングや商品開発、新店舗開発の各責任者など現地幹部が入れ替わりで全員登壇した。さらに本部社員だけでなくスーパースター店長や店長を務める若手社員など、優秀な人材をこれでもかと学生にぶつけていた。
特に学生の関心を呼んでいたのがユニクロ・ブギスプラス店の店長を務める大賀裕美子氏だった。入社4年目の27歳でシンガポール最大の店舗を率いる大賀氏が、流暢な英語を駆使してシンガポール人のスタッフに朝礼で指導する姿は、「かっこいい」と学生の眼には映った。大賀氏と学生との質疑応答では、「海外で働くうえで何が大変ですか」「日本の商品展開とどこが違うのでしょうか」など、30分の間、息をつく暇がないほど質問が相次いだ。

Powered by リゾーム?