三井物産は共通項がないのが特徴だという。「多様な人材を採用することを重視しており、相手の個性に対しての許容力はかなりある人が多い」(人材開発室の亀山巌マネージャー)。
6000ほどのESのうち約半分の3000人を1次面接に進めるのも、多様な学生に直接会うため。また、今年から博士課程の大学院生を対象にした採用も始めた。博士課程自体の採用は以前からあったが、専用の採用枠を設けることにした。亀山氏は「研究で筋道を立てて検証していく論理性の高さに魅力がある」と狙いを語る。
英語、お酒、体育会系重視?
商社マンのイメージとしてありがちな「英語必須」「お酒が強い」「体育会系が多い」についても聞いた。
説明会などで就活生から毎回聞かれるのが英語など外国語のスキル。これについては「あるに越したことはないが、マストではない。パスポートすら持っていない内定者もいる」(住友商事)といい、これは各社とも共通だった。
ただし「入社10年以内に3部署を経験し、そのうち一つが海外勤務」(住友商事)、「原則入社6年で1度は海外」(三井物産)など各社とも若いうちに海外経験をさせる方針。入社したら外国語を使う機会が多いことは間違いない。
伊藤忠は入社4年目までに英語圏以外の海外で語学研修をする。「最近なら中国語を学ぶケースが多い」(甲斐氏)。
お酒については「飲めなくても問題ない」という答えが出そろったが、「相手がビール会社だと飲めないと苦労する」(ある商社)と本音も。
体育会系については内定者に一定数いることは認めつつも、「採用枠が決まっているわけではない」と各社はいう。ある人事担当者は「体育会系の人は社内に先輩がいるケースが多い。先輩がESの添削や面接指導など後輩の面倒を見るため、内定者が多くなるのでは」と語った。
《本記事は、日経ビジネス2015年12月7日号スペシャルリポートを再構成しました》
「日経ビジネス」は経営者や面接官をはじめとするビジネスリーダーにご愛読いただいている、読者数No.1の経済誌です。学生の皆様には、特に就職活動時に挑むための情報源としてご活用いただき、「大変役立った」と好評をいただいています。詳しくはこちらをご覧下さい。
Powered by リゾーム?