給与の高すぎと安すぎに注意

 採用ホームページや説明会などの情報収集時にチェックすべきポイントの1番目は「お金」だ。

 お金は金額と内訳が重要になる。初任給はどんな大企業でも20万円強が多い。その中で30万円を超えるなど、高すぎる場合は注意が必要だ。竹花弁護士は「長時間の残業代が込みになっていたり、ハードルの高いノルマ達成が報酬の条件になっていたりする」と説明する。

 さらに「最近では巧妙化している」と指摘するのは明治大学の就職キャリア支援事務室の滝晋敏氏だ。滝氏によると初任給の金額は業界並みで、手当も普通にもらえる企業だが、ブラック企業と疑われるケースがあるという。それは基本給が10万円などと低額な場合だ。基本給は残業時の割増賃金やボーナス計算のベースになる。「残業代を渋るため基本給を引き下げている。そこに社員を大事にしない経営者の姿勢が如実に表れている」(滝氏)。

 みん就(みんなの就職活動日記)や2ちゃんねるといった掲示板に書き込まれているブラック企業の情報はどう判断すればいいだろうか。匿名で信用度が低いなどと言われるが、就活に詳しい千葉商科大学・専任講師の常見陽平氏は「火のないところに煙は立たない。一つの有力な情報になる」と話したうえで「書いてあるからブラックとうのみにするのではなく、事実かもしれないと冷静にとらえ、その事実が本当か、理由があるかを調べるべきだ」とアドバイスする。何がブラックと感じるかは個人差もある。

面接会場が豪華過ぎるのは「×」

 「ブラック企業を見極めるためには面接会場の場所と豪華さをしっかりチェックしよう」。採用コンサルタントの谷出正直氏は、就活生にこうアドバイスしている。まず面接会場が自社の場合はオフィスが散らかってないか、社員が沈んだ雰囲気でないかを見る。「大人数を面接する企業は別だが、面接後にオフィスを見せてとお願いしても、見せてくれない場合は要注意」と谷出氏は指摘する。

 面接会場が自社以外の場所である場合も同様で、社員に会わせたくない理由がある可能性がある。さらにホテルや宴会場など無駄に豪華な場所の場合も、必要以上に自社をよく見せようとしているのかもしれない。

 面接中にもチェックできるポイントはある。「夢・成長・やりがいばかりを強調したり、自社のアピールばかりをしたり、就活生の話を聞こうとしないケースが多い」(谷出氏)。また「人物重視」と言いながらすぐに内定を出すケースも注意が必要だ。とにかく採用数を増やせればいいという、使い捨ての考えが読み取れるからだ。

 内定後は入社までの最後のチェック期間と捉えたい。内定承諾までの期間を短時間にして急がせる、他社の内定辞退を強要するなどの企業は要注意と言えるだろう。

 さらに人を使いつぶすタイプのブラック企業で増えてきているのが、インターンシップやアルバイトで内定者を働かせるというものだ。こうした就労機会を通じて、入社までに仕事の内容を知ったり、社員との交流ができるというメリットはある。ただし、ブラック企業の場合、仕事をやらせながらインターンシップだからと無給だったり、アルバイトといいながら最低賃金を下回るケースも多い。また、大学の授業や卒業旅行などのイベントでも休ませてくれないケースもある。

 インターンシップやアルバイトを断ろうとすると、「内定を承諾しただろう」と詰め寄るケースもある。竹花弁護士は「雇用契約を結ぶ前の学生が労働を断っても何の問題もない。企業の実態を知って内定辞退しても違法性は全くない」とアドバイスする。